Youssou N'Dour - Assane Thiam
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ユースー・ンドゥール(Youssou N'Dour)
アッサン・チアム(Assane Thiam)
陶:音座マリカ
文:泉井小太郎
Sabar
鳥でも虫でもいい
美声はあるのだ
一度聴くと
耳が虜になる声が
虫でも鳥でもいい
心を打つなら
魂を駆り立てるなら
どこへ
未知へ
無方へ
一人の少年が歌った
美声はあるのだ
音楽が
草原が渦巻き
バオバブの木が
星の種をいっぱいに着ける
♪
キューバ音楽の香りにフランスの美意識、そこにセネガルのフォルクローレが混ざって、この西アフリカの小さな国の音楽は俄然面白くなった。1970年代後半から1980年代前半まで。ちょうどユースー・ンドゥールが老舗のスター・バンド・ド・ダカールに参加して、数年後に自身のバンド、エトワール・ド・ダカールを結成、さらにSuperを被せたバンドに発展させていく十年間。古典的・牧歌的で、どこか借り物の響きもあった音楽が、どんどんリズムを洗練させ、オリジナリティを強めて、コンテンポラリーなポップスへと疾走した。それがンバラと呼ばれる音楽。
ハバナとパリとダカールの夜が妖しく融けて、美しく疾走する音楽。美声も濁声も魅惑的で、くらくらするタマの連打に駆り立てられて、ついユースー! セネガル! 蕪村! と叫んでいたのは1984年。(この年、一方で俳句と水墨の蕪村にも入れ込んでしまっていたのだ。)
♪
Youssou N'Dourの表記はどうやらユッスーと書くのが一般的になっているようだ。音楽雑誌に紹介され始めた頃はユースーだったし、演奏中にメンバーが歌のように呼びかけているのもユースーと聞こえる。それで親しんできた方で呼ぶことにする。
陶像のもう一人はタマ奏者のAssane Thiam。この人も表記が難しい。アッサン・チアムと取り敢えず書いておく。スター・バンド・ド・ダカール時代からの盟友であるらしい。ジュジュのサニー・アデのバンドに於ける、トーキング・ドラムのティミー・オライタンと同様、(スーパー)エトワール・ド・ダカールの彼はバンド全体のリズムを引き締め、うねらせてゆく主役である。
ユースー・ンドゥールのマイ・ベストは1986年にカセット・テープで出た『Jamm』。愛着があるのは1979 - 1981年のエトワール・ド・ダカール時代で、伝統を脱却して新しい試みをどんどん採り入れていた頃の諸作。それ以前の少年ユースーの美しい高音も忘れ難いし、Superを冠して泥臭さから洗練へと向かう過渡期もどきどきしていい。
♪
ユースー・ンドゥール(Youssou N'Dour)1959 -
セネガルのグリオの家系に生まれた天性の音楽家。十代から活躍。
伝統音楽をンバラというモダン・ポップスに発展させた立役者。
よく伸びる美しい声を持ち、アフリカの代表的な歌手になった。
愛聴盤:
○ Star Band De Dakar(IK)
○ absa gueye(Pam)
○ Etoile De Dakar(ET)
○ Thiapathioly(MCA)
○ Mouride(ED)
○ Show A Abidjan(ED)
○ Immigres / Bitim Rew(Celluloid)
○ Jamm(Saprom)tape
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