見出し画像

アインシュタインと宮澤賢二 1

ドイツ出身の物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)はたった一人でニュートン力学を乗り越えた人だ。光の速度はどこでも同じである(秒速30万キロメートル)。この仮定だけから特殊相対論を構築し、空間三次元と時間一次元(四次元)がお互いに助け合って光速度一定を実現していることを明らかにした。1905(明治38)年のことだ。

太陽の周りを公転運動する地球。ニュートン力学では地球と太陽の間に働く万有引力でこの運動を説明する。しかし、一般相対論では太陽の質量で時空が歪み、地球はその歪みに沿って移動しているだけになる=『宇宙はなぜブラックホールを造ったのか』

また、重力の効果と加速度運動の効果は同じであることに気がついた(等価原理)。1916(大正5)年、この原理に基づいて一般相対論の構築に成功した。これは重力の理論で、そのエッセンスは「時空は物質に移動の方法を教える。物質は時空に曲がる方法を教える」である。

結局のところ、ニュートン力学は物体の運動速度が光速度に比べて十分遅い場合、近似的に正しい理論体系だったのだ。かくして、アインシュタインは20世紀初頭に、物理の世界を一変させた。

片や宮澤賢二。宮沢賢治(1896-1993)は,日 本 の近代 文学 における重要 な童話作家 として よ く知 られてい る。

なぜ東北の片田舎で生まれ育ち夭折した彼が現代にまでこれほどの影響力を日本及び日本人に与えているのだろうか。そ れは彼 の童話作品 に特殊性 があ るか らで ある といわれる。

彼の思想を従来あまり語られなかった近代物理学や宗教学の立場で語ろうとしたのがのがこの小品である。

宮澤と近代物理学の創始者アインシュタイン。両者は直接的な出会いはないが宮澤にはアインシュタインの物理学に触発されたものがある。そんな接点を通し宮澤賢二の思想を少し掘り下げてみたい。

2へ続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?