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実証主義と反証主義

事実を根拠とし、観察や実験によって実際に検証できる知識だけを認めようとする立場が実証主義である。

実証主義の問題点の一つに「科学的に正しい」と実証されたことも後で覆されることがある。 

学問的あるいは科学的に正しい事柄・命題は、科学的方法によって検証され証明されます。しかし、時代が変われば、学問的・科学的に正しいとされたことが否定されて、新しい「事実」が唱えられるようになります。

学問的・科学的な「正しさ」は、実は正しいように見えても実は正しくないこともあるのです。こうした「正しさ」について、どのように考えるべきののでしょうか。

実証されている学問や科学は、実際には正しさが証明されていることが前提とされています。と同時に、実証されている裏では「正しくない」という可能性、すなわち反証可能性も必要になります。

この「正しい」ことと、「正しくない可能性」という矛盾する考え方の考察がこの記事の目的となります。

先ず学問的・科学的に「正しい」ということは、実際に証明されていることが前提ですが、後でこの証明済みの事実についても新事実が発見されて覆されることもあります。実証主義が学問と科学の主要なことであるのは疑いようもなく、また納得もできることです。

科学的に「証明された」ことは「正しい」ことあり、その「科学的な知識」は「事実」と考えても問題がないことが多いです。また、そうした科学的方法で世界は回っています。

科学的方法とは、対象の観察し、そこからの問題意識、説明の発展による仮説を経て事実と合致しているかを検証するという手順である。

そのような手順を経て担保されたものが「科学的に正しい」ものとして皆が認めるのです。

よって仮説は、検証されることで初めて本当に正しいのかどうか分かることになります。
逆に、反検証であれば、正しいかどうかは分かりませんから「科学的な正しさ」を成立させるのは仮説検証なのです。

ですから、実証主義の実証とは、経験、観察することができる事実に基づいた証明となります。

客観的な事実に基づいて論理的に推論されて証明されたもの、実証された知識が科学的な知である、とする立場です。

実証されている裏では「正しくない」という可能性、すなわち反証可能性も必要になるのとはどのようなことでしょうか。

実証されたということは、検証を経て正しいことが証明されたことを意味するはずですから間違っていることが発生すること自体あり得ないことである。

実証済みの事柄が実は間違いであったということは、論理的にはおかしいことです。このような反省から生まれたなが反証主義です。

反証主義が正しいといえる論拠は、「今現在これが反証されていない」状態だといえるからである。

間違いが指摘されないから今現在は科学的に正しいと考えます。

17世紀に発表され以後200年、あらゆる運動を完璧に証明できる究極の真理とされたニュートン「万有引力の法則」ですがアインシュタインによりその理論は覆されたのです。

ニュートン力学では重力には触れていません。アインシュタインは重量による時空の歪みを提唱した。

重力は時間を変化させ空間の歪みを発生させます。この理論は後の天文学物理学を飛躍的に発展させました。

相対性理論は三つの空間プラス時間軸の4次元理論で超弦理論では力の統合を11次元として計算します。即ち相対性理論が見落としていた次元があるということで、この有名な相対性理論の破綻を予感させるのです。

科学の正しさという世界では常にこのような矛盾を抱えています。このような問題提起に対し弁証法的方法、すなわち重力の小さな世界ではニュートン力学で、大きな重力場では相対性理論の使い分けが使い勝手がよく、また4っの力が統一する場であれば(多次元世界)相対理論は破綻する可能性も秘めているのですが今現在ではこの相対性理論の正しい科学の評価はたじろぎを見せていません。



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