存在を消したい

定期的に死にたくなる時がある。正確に言えば死にたいのではなく、自分の存在を無かったことにしたい。私が生きていたという記憶や記録、全ての証拠を消し、消えて無くなりたいと思う。

この波は定期的に訪れる。ふとした時にそう感じて眠れなくなる。今がその時だ。だから波がひくまて気を紛らわす為にこうして文章を書いている。

この気持ちと定期的に向き合ってきて、考えた事がある。それはこの気持ちは決しておかしいものではないのでは、という事だ。

当たり前のことだが、人間は生きている時間より死んだ後の時間の方が長い。つまり、死んで存在しない状態の方が常であり、生きているほうが特殊な状態なのでは?と考えた。

別にこれは死ぬことを肯定している訳ではなく、生きている状態を否定する気持ちを持つことの罪悪感を否定しているだけだ。

SNSに死にたいと投稿すると“あなたの声を聞かせて”という案内が出たりする。個人的に的外れだと思う。別に誰かに聞いて欲しい訳ではない。ただ、なんとなく、ふとした瞬間に消えたくなるだけなのだ。けれど、世間一般的にこのような気持ちは病んでいると思われがちだ。確かに、私は精神科医でも徳の高い人間でもない。すべての人が私のように消えたいという感情を持つ訳ではないだろう。

しかし、思考は自由だ。どんなものであっても他人に否定されるものではないと私は思っている。それを他者に強要するのは問題だが、個人の頭の中で考える事は否定されるべきではない。

消えたいとか、死にたいと思うこと。そう思うこと自体は変でもなんでもない。思ってはいけない事などありはしない。ただ、当たり前に考えているだけの事なのだ。

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