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ピアノの、また別の楽しみ方を発見した

コロナのおかげで増えたおうち時間、いかがお過ごしでしょうか。

私はおうち時間は増えていませんが、例え増えたとしても、時間をいくらでも喰う楽しみがあるので、暇になる心配は全くありません。その楽しみはピアノです。大人になってからの再開で、何のプレッシャーも制約もない、純粋に自分だけの楽しみのためのピアノですが、今日、新しい楽しみ方を発見してしまったので記してみようと思います。

ピアノを再開して約半年が経ちます。練習曲としてはツェルニー30番、ハノン、インヴェンションをやっていますが、加えてお楽しみ曲をだいたい同時に1,2曲弾いています。ここ一か月ほどのお楽しみ曲は、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」です。ただ、どちらかと言えばゆっくり目が良いような気もするし、でもどれくらいゆっくりが良いのかわからないし、場合によっては速めが良いような気もして、いつも、なんとなく迷っています。

そこで、一回、メトロノームにあわせてやってみることにして、スマホの動画でメトロノームを指示通りの54にあわせて弾いてみました。そして、スマホがついている状態だからこその、かなり不敬な気のする方法を思いついてしまいました。少しためらいましたが、やってしまいました。

動画でピアニストの方の演奏にあわせて、弾いてみたのです。

まず、清塚信也さんの演奏にかぶせて弾いてみます。なるほどなるほど、ここはこんなに長ーくとるのか、なるほどなるほど、ここは素早く、ここは軽く、、、など。思った以上に発見が多くて、かなり夢中に。

例えば、ですが、清塚さんの演奏の39と40小節目(トップの写真のところ)は、目からうろこというか、この部分はこんなにきれいだったのか、と感動。40小節目では私は、左手のソ~ソのオクターブの和音を弾いてから、ファ♯シファ♯に右手の和音を被せていましたが、清塚さんは、ソ~ソで右手の和音を被せていたのが、新鮮でした。確かにこの方が39小節目からのメロディを途切れさせることなくきれいに繋がるし、和音の重なりもこちらの方が綺麗な気がする・・・。

何度も清塚さんの演奏にあわせた後、他の人だとどうなのだろう、と思い始めてしまいました。次にあったのが、辻井伸行さん。

すると、清塚信也さんとは、まただいぶ違います。

例えば、先ほどの39から40小節目は、私が弾いていたのと同じタイプで、左手のソ~ソをまず弾いてから、ファ♯シファ♯に右手の和音を被せます。そして、60小節目からのパートのテンポが、なかなか速くて、一緒に弾いてみると、「積極的!」と感じました。

次に、フジ子・ヘミングさんにあわせてみました(日本語で検索したので、日本人の方ばかりになりました)。

すると。テンポが結構謎な感じで、なかなかあわせられません(特に60小節目からのパート)。フジ子さんの独特な感じはこういうところからも来ているのかなあと思ったり。あとは、遅くなる一瞬は、アルペジオのところなのかなという感じもあって、フジ子さんはもしかすると手が小さめ(私も小さいですが)なのでこうなるのかな?などと、(失礼かもしれない)想像が頭をよぎったりしました。

とにかく、微妙なテンポの違いが、聴いているより、ずうっとはっきりわかります。考えてみれば、当然のことですが。

音楽は、やはり、肉体化の芸術なので(と私が勝手に言っているだけ)、肉体を通す面白さが格別です。

動画サイトで、名曲の、名ピアニストたちの聴き比べ動画がよくあがっていますが、これはとても厚かましいのを承知で言えば「弾き比べ」だなあと思ったりしました。もちろん、子どものころに弾いていただけの素人の演奏なので、ピアニストたちの演奏を再現できている筈もなく、勝手にあわせて弾いてその気になっているだけなのですが。

やっぱり、より「好き」な演奏にあわせる方が、なんとなく弾きやすいです。

それにしても、もの凄い発見をした気分になっていますが、Youtube等の動画サイトやアプリがこれ程はびこっている現在、ピアニストの演奏にあわせて弾くのは割と普通の事なのでしょうか?私にはわかりません。なんだか悪いことをしている様な気がしますが、ピアノ界の常識もよくわからないので、それが一般的な感覚なのかどうかも、よくわかりません。

曲の解釈なんかもよくわからないし、無知を晒すのを承知で、あまりの衝撃に、思わず書いてしまいました。

とにかく、聴き比べより、だいぶ踏み込んだ面白さです。試してみると、色々発見があるかもしれません。それに、名ピアニストの演奏を聴きながら弾くことで、自分もピアニストの気分になれて、大変楽しいです 笑

それにしても、ラヴェルの音は、やっぱりかっこいいなあ。


↓60小節目

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