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2019.12.07 石川旅行記1日目

毎年12月に夫婦で旅行に行くことにしている。年末年始や年度末はバタバタしているので、決まって12月の1週目か2週目になる。今年は石川県を3日かけて北上していこうとなった。

大阪駅発のサンダーバード13号に乗り込む。発車して十分くらいでお腹を下した。昨日食べすぎたかもしれない。昨日は残業して遅くなるので、晩ご飯は買って帰ると予め妻に伝えていた。22時ファミマでまず期間限定の発泡酒を買って、それにあうものはなんだ!となったとき、汁なし坦々麺かペペロンチーノのどちらかで悩んだ。こういうときはどちらかを選ぶための条件を考えればいい。自由であることがかえって行動を制限してしまうことは多々ある。仕事でもそうだ。昨日の僕は冴えていた。明日の昼は確か加賀そばを食べようと二人で決めていたので、2品かって和洋中の3コンボやで!ワシは無敵や!!となりウキウキでレジに向かって家に帰って食べた。バカだった。
それでもなんだかんだ腹の調子はすぐによくなり、パスカル ・キニャールの「音楽の憎しみ」を読んだ。

音楽に関わるエッセイか評論か、そういった類の文章なのだが、明確にこれこれこういった方向で議論を進めます、と宣言することはなく、散発的な思考やアナロジーが互いに手を取り合って自己生成的に論をつくり、それがまた構成要素の一つになりまた別の論が展開される。すごく好きです。なんだかIEさんのmemoシリーズに似てるなあなんて思ったりした。妻は寝てた。

加賀温泉駅に着いた。

北陸新幹線が開通予定とのこと、駅舎は工事中だったが観光客で賑わっていた。12時40分のバスに乗り、月うさぎの里に行く算段で、まだ30分程あったので、荷物をコインロッカーに預けて辺りを散策した。近くのショッピングモールは吹き抜けになっているホールにクリスマスの手作りの飾り付けが施してあり、抽選会も行われていた。なんだか地元の田舎を思い出した。いいところだね、そうだね。そんな会話をした。
バス発車の10分前になったのでバス停に向かった。また腹が痛くなった。あれ、お腹痛いかも……?みたいなことを言うとバス停で待ってるから早よトイレ行ってきい、と言ってくれたので駆け込んだ。当然間に合わなかった。いくら昨日食いすぎたとはいえずっと腹がぎゅるぎゅるするのはおかしい。おれが一体何をしたっていうんだ!!腹痛のときにだけ恨まれる神様を降臨させて罵った。
トイレから出て妻に謝り倒した。彼女から「オッケーギュルギュル、早くトイレを見つけて」「Hey尻、ちゃんと拭いた?」と小馬鹿にされ続けた。僕は「すいません、聞き取れませんでした。」とかこたえた。まだ腹は少しギュルギュルしていた。

次のバスは14時20分(!)なので、近場で昼食にしようとなった。とはいえ腹を下してるので、温かくて消化に良いものにしようとなった。僕は加賀そばにとろろとイクラがのったもの、妻は天ぷらうどんにした。食べ終わったら今日3回目のギュルギュルタイムがきた。すぐにきた。お店のお手洗いを借りた。情けなくてトイレに流して欲しかった。
店を出て数分するとまたトイレに駆け込んだ。もうなんもでるもんねぇぞ!!とまた神を罵った。それでもギュルギュルは止まらない。神は死んだことを、僕はまだツァラトゥストラから教えてもらっていない。

精神も肛門も憔悴しきっていた。これ以上のギュルギュルには耐えられなかった。妻への申し訳なさと、自分の不甲斐なさに北陸初落涙まで待ったなしだった。
時計は14時ちょうどだった。次ギュルタイムがきたら月うさぎの里に行けなくなってしまう。一年に一回の旅行、無駄にするわけにはいかない。頭の中にはSuperflyの「愛をくらえ」が流れていた。もう一度便座に座った。10分ほどがんばった。もう僕の腹は落ち着いており、完全勝利した。バスに乗り込み月うさぎの里に向かった。中にはたくさんのうさぎが放たれていた。奴らは近づく人間は給餌係だとしか認識していないようで、餌を持っていないとすぐそっぽを向いた。それでもかわいい。いやむしろそれだからかわいい。たまらん。
ツイートしたが速水もこみちの高校生時代を彷彿とさせる奴もいた。

彼女(園内のうさぎは全員メスとのこと)はオリーブが好きなんだろうか。新婚旅行でイタリアに行った大学の同期が現地でウサギを食べたとか言っていたことを思い出した。また問い質さなくてはならない。
また意外だったが、ウサギがエサにがっついて前足を屈んだ僕の後ろ足に乗せることが何回かあったのだが、彼女らの爪は鋭かった。

月うさぎの里を後にして、金沢駅へ向かった。今日は金沢駅のホテルに泊まる。ビジネスホテル大好きマンの妻はちょっといい感じのホテルを探しいていた。旅館とかそういうのは次の日にする。
ホテルにチェクインして荷物を置いてから、どこの店で晩ご飯にしようか散策した。雨の金沢、まだ腹に何かを入れる余裕はない、当然余裕とは量のことではなく、受け入れ態勢のことだ。土曜の夜はどこも満席だった。あるビルではエレベーターに挟まれた上で満席なんですぅからのご来店ありがとうございましたぁを食らった。彼らに一体何を与えたんだろうか?エレベーターに挟まれたとき、何か大事なものを奪われたのかもしれない(まだそれは分からない)。
結局ある海鮮押しの居酒屋を見つけることができた。妻は腹が減っていたようで、刺身盛り合わせと金沢おでんと、のどくろの塩焼きを注文した。僕は熱燗を頼んだ。温かいソフトドリンクとかあればよかったが、何か温かいもの、温かいもの、となって熱燗になった。それ以外は何も頼まなかった。というか無理だ。悲しいね、情けないよ。

明日はお腹治さないとね。ほんとだよ、ごめんね。こんなことをテレビ見ながら話している。明日のために今日大人しく寝ようと思う。

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