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根っからのバイカー

リターンしてわかった

バイクにリターンすることを決めた時
年齢も年齢だし
飽きたらいつもでバイクを降りようと思っていた
熱意がないのならバイクをやめるなんていつでもできる
もしかしたら
単に若い時の自分を思い出したい
だからバイクに乗りたくなったのだと思ったのかもしれない
そんな軽い気持ちなら
いつバイクを降りてもいい
そんなことを考えていた自分があったことは否めない
でもリターンしてわかった
『やっぱり俺は根っからのバイカーだ』
バイクをやめるどころか
もっと乗りたい
もっと走りたい
もっといじりたい
リターン前よりもバイク熱は高くなった

若い時の記憶

まだ20代だった
オーバーランしてきた対向バイクと衝突した
その時に足の親指は粉々に潰れた
あれ以来、今も親指はブラブラなままだ
1ヶ月の入院生活が終わって
元の生活に戻ってからすぐに
壊れたバイクが直らないことを確認して
すぐに次の一台を購入した
根っからのバイカーは
根っからのバカでもある
事故った怖さよりも
事故った痛みよりも
バイクに乗れない辛さの方がきつい
この記憶は40年近く経った今でも消えない

黒い油

バイクに乗り始めると
必ずメンテナンスは避けて通れなくなる
エンジンオイル交換
チェーン交換やスプロケット交換
オイルシールはバイクのあちこちに使われているし
ベアリングだってある
それはプロに任せても良いし
自分でメンテナンスをするのも良い
俺は当然のこととして自分でやることにしている
メンテナンスをすれば手は真っ黒になる
指紋にも爪の隙間にも黒い油が沢山残る
その汚れた手を見ると 自分がバイク乗りなのだと実感する
根っからのバイカーにとっては嬉しい瞬間だ
ただ残念なのは、若い時と違って汚い手のままで生活をするわけにいかない
だから皮膚が赤くなってもブラシでしっかりと手を洗い油を落とす
黒い油汚れはある意味での勲章なんだけれど

怖さ

根っからのバイカーだから
バイクの真の楽しみ方を知っている
それは同時に
バイクの怖さを知っているということでもある
だから人にはバイクを薦めたりしない
勧めることもしない
バイク仲間を欲しいとも思わない
その代わり
怖さを知る者同士が仲間になる
それがバイク仲間
根っからのバイカーだ

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