バルトリン腺膿瘍・日記四日目手術回(3/22)

※別の場所で記録していた日記をコピペ後わかりやすく改変しています※

 歩けねえ、座れねえ、眠れねえというトリプル打撃に苦しみながら朝イチに病院に電話しました。受付は毎回とてもやさしい。「すぐ来てください」と言われ嬉しかったものの、脳裏に過ぎるのは土曜に受けた地獄の穿刺の痛み。「今日診て頂けるのは本当に有難いんですが、針……針はもう耐えられる気がしないんです……」って言いました。痛みを思い出して言いながら泣いちゃった。受付の方は本当に優しくて「麻酔なしでしたもんね……今回の処置では麻酔できるならして貰えるよう伝えておきますからね」って言ってくれて、気休めかもしれないとは疑いつつも嬉しくて普通に泣きました。
 病院に到着、車から降りるなり待ち構えていたと思しき看護師さんが駆け寄って体を支えながら院内に連れて行ってくれました。摺り足じゃないと移動できないから看護師さんの歩幅と合わない。院内に入ったらまた別の看護師さんが待っていてくれました。「ドーナツクッション使っても座れないですか?」「むりです……」「じゃあここに捕まって待っててくださいね」という流れで手すりにしがみついたまましばし待機。
 通り過がりの看護師さんたちが「あと2人終わったらその次ですよ」「今入ってる患者さんが終わったら入れますからね」って声をかけてくれました。やさしい。痛みでまともな返事ができず「ハヒィ……」って言うしかできなかった私を許して欲しい。
 診察室、入るなりすぐに「内診しますよ」と医師から言われ、診察台へ移動。痛みで屈めずモタモタしていたら看護師さんがタイツとパンツを脱がしてくれました。お母さんかな……。まな板の上の鯉再び。また針刺されるのかとドキドキがピークだったんですが、「もう切開するしかないですね」という医師の一言によってその場で手術か決定しました。これには不安3喜び7くらいの感情で「オネガイシャス」と答えました。手術受けたらこの地獄の痛みとおさらば出来る。それだけが私の心の支えです。
 手術前におトイレ。体勢を変えようとするといちいち激痛が走るのでトイレの便座に座るのすら私にとっては拷問に近いです。そして処置室は2階。トイレから出て階段下で深呼吸していたら看護師さんが背中をさすってくれました。まじで優しいなここの人たち。ゆっくりゆっくり階段を上がり、新生児室の前へ。新鮮な赤子の泣き声が聞こえ「幸せの声がする……」と呟いたら「ここでちょっと癒されててください」と言われ、新鮮な赤子たちを見守りながら待つこと5分ほど。特に癒されることはなく、とうとう処置室へ。
 この時点では局所麻酔と言われてました。下全部脱いで手術台に上がるよう指示され、激痛に耐えつつ手術台に仰向けに。看護師さんは下半身に毛布かけてくれました。この時点で麻酔の変更があったようです。局所麻酔から静脈内鎮静へ。針を刺された痛みを考慮してなのか、点滴から睡眠薬を注射します。ありがたい心遣いです。そしてブドウ糖点滴と筋肉注射。めちゃめちゃ簡単に言うと筋肉注射は睡眠薬の前処置です。
 しばらくその状態のままぼんやりし、外がにわかに慌ただしくなると同時に医師入室。外部から来ている医師+普段こんな処置をあまりしていないだろう看護師さんたちの間がピリピリしています。「これ邪魔!」「あれやって!」「なんで用意できてないの!?」という医師の強い言葉に私は思わず「お忙しいところすみません……」と蚊の鳴くような声で謝罪。パルスオキシメーターを装着し血圧を計りつつ、医師は消毒用イソジンをたっぷり染み込ませた脱脂綿で患部をグリグリ。いや痛え。術前に殺す気か?そして膣口にもグリっと挿入。いやいってえ!!!!そこしばらく使ってないんだよ!ようやく睡眠薬を入れられる頃にはもうヘトヘトです。
「睡眠薬入れますね」これは一度目。効かない。麻酔耐性があるんです。加えて酒に強い。効きにくい。医師から追加指示。
「入れました」多少ぼんやりすれど会話可能。いたたまれなくなり「眠くならずすみません……」と謝罪。医師から追加指示。
「はい、入れました」あら、ぼんやり……まだ微妙に会話可能。医師から追加指示。
ここから記憶が途切れます。

 気がついた時、ちょうど患部を縫っている時でした。なぜわかったかと言うと針を刺され通される痛みが鮮明だったからです。2針くらいまでは我慢出来ましたがその後「いたーーーーーーーー!!!!」って叫んでしまいました。しかしもう睡眠薬を入れてはくれません。でもこれだけははっきりしています。

麻酔もなく針を刺されて膿を出されたあの処置の痛みより遥かにマシ。

 そんなわけでいきなり切開が終わり、完全覚醒まで台の上でぼんやりし、その間に看護師さんにナプキンとパンツを履かせてもらいました。意識の覚醒は早かったんですが何よりも術後の傷が痛い。でも術前の痛みより全然いいってくらいの痛みです。
 覚醒したらスカートとタイツをモタモタ履きます。未使用器具が置き去りの台の上にメモ用紙が1枚残されていました。「痛みで歩行困難、眠れず。前回処置麻酔なしのため今回は麻酔を希望」受付の方が書いてくださったのでしょう。ありがてえメモを読ませていただきました。お陰様で生き延びました。そして階段を降りて診察室へ。医師は今回の手術で何をやったのか絵を描いてくれました。造袋術ってやつです。膿がたまるところに穴を開けた状態で縫合して、膿がたまらず排出されるようにする処置です。しばらくナプキン必須。しかしバルトリン腺膿瘍の痛みから解放された上、術後の傷の痛みは痛み止めが覿面に効きます。この世の楽園か?あと最初は「バルトリン腺嚢胞」ってモニターにあったんですけど、今日「バルトリン腺膿瘍」になってました。進化しとるわ。
 皆さんに丁重にお礼を言いつつ帰宅。帰宅後はすぐ昼飯食って薬飲んで就寝。ぐっすり眠れる幸福………。起きた後は割と普通に歩けました。勿論座ると傷口が接地するんで痛いんですが、膿瘍の痛みと比べたら痛みなんてあってないようなものです。

 そんなわけでようやく快適になってきました。症状確認から初診まで約1週間、初診から5日目で手術。めまぐるしく可哀想な期間が終わりました。次は元々の予約日25日に経過観察です。経過観察の日にこれまでかかった費用を参考に載せておきたいと思います。

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