バンクオブイノベーション（4393）/完全自社案件業績相場

バンクについては今年4月からnoteで情報を整理していたが、メメントモリの業績相場、しかも数年に一度レベルの大相場に発展したため、別項目を立てて改めて整理する。

●上昇要因
・完全自社案件（プラットフォーム手数料を除き他社取り分がないもの）のセルラン・業績相場
・初動時　時価総額　約150億（配信時）
※「完全自社案件」（よく「自社IP」と呼ばれるが厳密には正しくない）の重要性については下記note参照。

●類似相場
完全自社案件のセルラン・業績相場では
・ガンホー（パズドラ）
・mixi（モンスト）
・コロプラ （白猫プロジェクト）
・アエリア（A3）
の4つくらいしか過去前例がない。非常に稀有なケースである。
他社協業案件まで含めると、
・コロプラ （ドラクエウォーク）
・エクストリーム（ラングリッサー ）
・Aiming（ドラクエタクト/ログレス）
・マーベラス（ログレス）
・サイバーエージェント（ウマ娘）
※サイバーは自社案件ではあるが、事業主体の子会社の持分が約61%にとどまるため、実質的には他社協業案件といい得る
等の事例があるが、基本的に他社協業案件は取り分が少ないため、自社案件の場合はより時価総額へのインパクトが大きくなると考えるべきである。
また、他に、セルランはないが自社案件がヒットして会社から数字が出た事案としては、
・サイバーステップ（トレバ）
・ガーラ （フリフユニバース）
等も参考になる。
以上の類似相場のうち、時期が古いものを除き整理したものを添付する。

類似相場の時価総額

なお、各相場のセルランと株価・時価総額の推移や相場の流れは、noteの「相場ダイジェスト」という項目で詳細に整理しているので参考にされたい。以下に一例としてアエリアの事例を添付する。

●バンクの業績思惑の規模
さて、バンクの場合は、小型の完全自社案件で初動セルラン一桁＋海外好調という事案である。
そして、10/26の会社開示によると、10/18〜23の6日間で18億の売上があり、仮にこのペースを維持するのであれば、1日約1億/年間売上1080億の思惑規模となる。この年間1080億という数字は、ウマ娘の年間売上と同規模であり、サイバーエージェントが持分61%の子会社事業にもかかわらず、ウマ娘で時価総額が8000億から1.2兆に上昇（4000億分上昇）した事案と比較すると、現行ペースを全て織り込むのであれば時価総額にして数千億レベルの規模になると思われる。
もっとも、この現行ペースを維持するのは難しいと考えた場合は、ある程度数字を割引いて検討する必要がある。
この点、例えば、メメントモリと同ジャンル（放置ゲー）の放置少女はiOSセルラン年間23位平均（※Androidセルランの年間平均は7.9位）で、国内の年間売上は約265億（ファミ通調べ/※なお、米sensor tower社調べだとおそらく約300〜400億規模）であるため、この放置少女の順位を一つの基準とする発想はあり得よう。
また、アエリアの場合、A3は初動46位/半年間平均37位で、時価総額は100億から600億に上昇（500億分上昇）したところ、この事案も参考になると思われる。
その他、比較対象となる国内トップゲームの年間平均セルラン と年間売上は添付のとおり。詳細は下記note参照。

●今後のイベントスケジュール（年内）
11月初旬　売上速報
11/14 通期決算
※メメントモリリリース前の2022年9月までの分であるため今期の業績反映はない。また、バンクは例年来期予想を出さないことや、メメントモリリリース直後で見積もりが困難であることから来期予想も出ない可能性が高い。既に事前に下方修正も出しており、この決算自体には意味はない。なお、来年2月の1Q決算からメメモリの売上が反映される。
12月初旬　売上速報

●需給
・株数、取組状況等については、下記noteの「需給」項目参照

・ヘッジファンドの空売り玉が3000円台で約40万株（浮動株数の4分の1〜3分の1）

●セルラン 相場の注意点
その他、セルラン相場の注意点（目先の順位に一喜一憂する必要はなく、平均値を見極めるべきこと/iOSとAndroidセルラン の違いに関する正確な理解）は下記note参照。