見出し画像

なぜ信用保証協会の保証が必要なのか

[要旨]

中小企業が融資を受けるにあたっては、信用力が乏しい場合、信用保証協会がその会社を保証することによって、融資を受けやすくする制度があるものの、銀行が、信用保証協会の保証に依存しすぎることも問題なので、徐々に、この制度は縮小して行くものと思います。


[本文]

中小企業経営者の方から、「銀行は、融資をするときに、なぜ、信用保証協会の保証をつけようとするのか」というご質問を受けました。これに対する直接的な回答は、銀行が、融資のリスクを回避するためということになります。でも、当然のことながら、前述のような質問をする経営者の方は、そのようなことをききたいのではないでしょう。

銀行から融資を受けるときは、利息を支払うことになるが、さらに、信用保証協会の保証をつけることになれば、信用保証料も支払わなければならなくなる。したがって、融資を受けるコストを減らすために、信用保証協会の保証なしで融資をしてくれないのか、ということでしょう。

これについては、私は、半分はそのような経営者の方の考え方は妥当と思いますが、半分は銀行の考え方が妥当だと思っています。現実的な話として、現在は、信用保証協会の保証がなければ、融資を受けることができなくなる会社がたくさん存在するでしょう。または、融資を受けることができるとしても、融資利率を引き上げられることが条件になると思います。

そういう面では、信用保証協会の保証料は無意味化というと、そうではないと思います。その一方で、銀行が、信用保証協会の保証に依存しすぎることも問題と思います。そのような考え方から、責任共有制度(信用保証協会が保証する融資について、全額ではなく、80%のみ保証する制度)ができたり、また、創業融資も信用保証協会の保証なしで融資をする金融機関も登場してきています。

したがって、徐々にではあるものの、信用保証協会の業務は縮小していくものと、私は考えています。ちなみに、この信用補完制度については、中小企業政策審議会基本問題小委員会金融ワーキンググループで話し合われていますので、ご参照いただきたいと思います。また、新たな動きがありましたら、お知らせして行きたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!