【詩】 大樹がくれる木陰にて

大樹がくれる木陰にて
そういえばこの樹は、といつかの日を思い出す
保育園の子どもたちがお弁当を食べていた樹
日差しの下は暑かったけれど
子どもたちには大きな樹があった
木陰がちょうど全員に行き渡って
木漏れ日のゆらめきだけではない、光の中にあった
その樹に今日はわたしひとり
春の陽がぬくめた空気と
散歩中の北風
葉のくすくす笑いが手を組めば
それはもう睡魔
思わず姿を探したくなる鳥の声も
まぶたをもち上げる力はない


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