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【音楽レビュー】Spiritual Beggars/Earth Blues

サークルが3年生の10月でひと段落すると僕は就職活動に入った。充実感をを持って終えただけに、この後どうすればいいのかというのはだいぶ悩んでいた。

最初は周りの文学部の学生と同じように広告関係を受けようと思っていたが、段々と土日がしっかりとあって休みの日に音楽ができるところがいいなと思いメーカーに絞った。その中で光学機器や精密機器メーカーを受けて行く中で第一志望はITメーカーだった。物流関係のアルバイトをしていたこともあったし、以前付き合っていた彼女の友人が電車に轢かれて亡くなってことを思い出し、そういう悲しい事故を防ぐことができるようなシステム・機械構築に自分の力を注ぐことができればいいなと言うことを漠然と考えていた。

そんな時によく聴いていたのはSpiritual Beggarsだった。なんとなくハードロックを続けていきたいと思っていたが、普通のハードロックはなかなか流行らない。少しアンダーグラウンドな感じのほうがハードコアなどとのブッキングが組んでもらえる。そんなことを漠然と考えて、Cathedral「The Etherial Mirror」だったり Kyuss「Blues For The Red Sun」などのドゥームメタル/ストーナーロックに没頭していった。この手の音楽は酒とギターを片手に聴くのが気持ちよくて、堕落していく感じが若く酒が次の日にあまり残らない22歳の自分にはぴったりだった。

この「Earth Blues」は2013年のリリースでちょうど上記の志望とは全く関係のない化学メーカーに就職して岡山に転勤している時に購入したのではないかと思う。名盤「MantraIII」には及ばないが、3代目ボーカル・アポロも慣れてきていい感じに肩の力の抜けた大人のハードロックという感じがする。
「Turn The Ride」は渋い感じのロックだ。「Dreamer」は確かカバーだったと思うのだが、Child In Time系のスローでドゥーミーなオルガンが心地いい。後半のMichael Amottのソロも安定している。Michaelのソロがもっと考えられた美しい展開のものがもっと名盤になった気がするのだが、それはArch Enemyのほうでやっているのだろうか。

Turn The Ride

Dremaer


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