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【音楽レビュー】Foo Fighters/In Your Honor

ここから高校時代に突入。2004年入学の2007年卒業なのでそれまでに買ったものということになる。

高校時代は7歳上の兄がすでに出版社でアルバイトをしていた。僕がまだ小学生の時にXのHideが好きでギターを弾いていた7歳上の兄が大学時代に集めたCDの貯蔵量は200~300枚となっていた。バンドもやっていたようでギターが次々に増えていった。Fenderのものが多かったが、1本だけGibsonのLespaul Deluxeというゴールドトップの格好いいギターがあった。ミニハムバッカー搭載なので今となってはかなり気になる一本だ。今さら僕はギターは買わない(万が一買うとしたらせいぜいセミアコかESPあたりが出しているハイフレットの弾きやすいレスポール。)が、魅力的に違いない。

少し話は逸れたが、兄が貯蔵していたCDの中ではおそらくオルタナティブロックが多かったのではと思う。その中でも「Nirvana」の「Nevermind」は雑誌のレビューで有名だったこともあり聞いたが格好よかった。他にも聞いたのはBeckなど。あまり覚えていないが、オルタナティブロックはロッキングオンやクロスビートでもよく特集されていたし、これが聞けたら格好いいなと思った。そこで2005年6月にリリースされたのがFoo Fightersの「In Your Honor」だった。前作の曲である「All My Life」だけは聞いたことのある記憶があるが、やっぱりNirvanaを聴いていたら格好いいなと思い、このCDを手に取った。高校の3年間よく通うことになる、今は亡き大宮のWAVEである。(このCD店は本当に良い空間だった。)

このアルバムは2枚組となっており、1枚目がロックサイド、2枚目がアコースティックサイドであるが、正直アコースティックサイドは全然聞いていない。今改めて聞いてみたら「当時聴いておけばよかった」と思うのだが、当時はロックサイドで最高に”漢”を感じることが出来たのでそれで十分だった。1曲目の「In Your Honor」は轟音のギターで開幕し、デイヴ・グロールの「Can you hear me?」とアリーナの最後尾まで叫ぶような図太い声、一通り終わると鳴り響くドラム、曲が終わったと思い静寂に包まれた後、デイヴが叫びアウトロに向けて楽器隊がこれでもかとパワフルになっていく。過去4枚は多少暗い曲も存在するが、このアルバムの明るいロック感は暗い時期を乗り越えた彼の人生を象徴しているように見える。「No Way Back」はそこから流れ込むストレートなロックンロール、「Best Of You」はバラードながらもルート音中心ながらもメロディを感じることが出来るベースラインの曲の組み立てにデイヴが繰り返し「The Best...」叫ぶ轟音感は止まらない。ラスサビ前の間奏からの流れが特に素敵だ。あっという間に3曲終わる。4曲目の「DOA」になりやっと極太感は控えめとなり聞きやすいロックとなっていく。(「Best Of You」に続き「DOA」もシングルカットされたはずだ。)後日次のアルバムについても書こうと思うが、このアルバムは随分と先まで聴いていた。(見直すまでもなく4曲目までスラスラ出てきた。)。そして最後の「End Over End」はイントロから少し切ないコード進行だ。クランチでのコード進行が心地よく、「あぁ、このアルバムはこれで終わってしまうのだな。」というのをしみじみと感じることが出来る曲だ。

No Way Back」は大学生の時に後輩から誘われてコピーした。あの時はフーファイ熱が冷めていたが、冷めていなければもう少しちゃんと彼らの想いと向き合うことかもしれないと今さらながら後悔。と言ってもギター自体は簡単なので工夫のしようがないのだが。


■In Your Honor(スタジオ盤のほうがライブより熱さが伝わる)


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