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【音楽レビュー】John Sykes/Loveland

僕は大学3年生の時にGibsonのLes Paul Customを購入した。91年製のオールマホガニーだったと記憶している。サークルでの集大成としてちゃんとしたギターで演奏したいと思い、それまで使っていたOrvilleのコピーモデルから乗り換えたのだ。20回払いで購入したので就職活動の時にはお金が苦しかったことを覚えている。

Orvilleの同モデルを購入した理由は小学校からの幼馴染が本物のLes Paul Customを使用していて、世界で一番美しいギターだと思ったからだ。20万円クラスのギターでいうと他にはMusicmanもよいと思ったが、やはり一生ものという意味でGibsonを選択した。このギターは大学4年で2回折れ、卒業後も新宿ペンタの階段で転んで折れた。3回目折れた際、原宿の松下工房で修理し6万円近くも工費がかかって驚いた。修理代だけで10万円もしている困った奴だが、3度も折れたギターに何の価値もないだろうし、僕は誰かに譲るつもりはない。今はピックアップを変えてしまっているのだが、最初にライブハウスでコードを鳴らした時の感動は今でも忘れていない。もう歪み重視のピックアップ(Dirtyfingers)を使用する必要はないので、オリジナルの57Classicにそのうち戻そうと思っている。

Les Paul CustomといえばハードロックでいうとJohn Sykesだろう。彼はWhitesnakeでの「Still Of The Night」「Bad Boys」「Looking For Love」など素晴らしい演奏はたくさんあるが、ギターボーカルとしての才能が素晴らしいだろう。Blue Murder「Riot」「Billy」も素晴らしいし、「Screaming Blue Murder」での「Please Dont Leave Me」や「Dancing In The Moonright」など過去曲をギターボーカルで披露するところが素晴らしかった。その中でもアラサーになってから良いなと感じ始めたのが「Loveland」だ。

全てバラードから構成されるソロアルバムだが、彼の歌声、そして彼らしい荒々しくも華麗なギターソロが堪能できる。「Thank You For The Love」は至福感のあるソロの後の熱唱が聞けるし、「Till The Day I Die」はマイナースケールの切ないギターソロの王道といった感じでいい。そして最後の「Dont Say Goodbye」はもはやギターを使っていない。どこかGuns N'Roses「November Rain」のアウトロを感じさせる雰囲気があるが、彼の歌声だけを聴く価値はあると思う。

もちろん「Please Dont Leave Me」も収録されているのだが、このバージョンも原曲に劣らず良い出来となっている。感傷に浸りたい時は昔からよく聴いていたし、原曲のギターソロはよく練習したのだが、今日も久々に聴いた。おそらく今後も聴き続けることになるだろう。


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