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【音楽レビュー】Red Hot Chiri Peppers/Stadium Arcadium

高校の時は自分が大きく形成された時期だと思っている。

高校の時に入部したラグビー部は半年で退部してしまった。これ自体は仕方がないが、軽音楽部に入ろうとしたものの皆上手くて引け目を感じてしまい入ることが出来なかったというのが大きく人生で後悔していることの一つだ。(だからこその反骨心から生まれたこともあるのだが。)

そんな時に出会ったのがロッキングオンとクロスビートで、特にクロスビートをよく読んでいた。Foo FightersOasisといった大御所バンドに加えて、当時はリバイバルブームということでThe White StripesStrokesなどが格好いと思っていた。高校2年で出会ったロッキングオン好きの友人の存在が大きい。(彼は製造業に就職し職場も近いのだが、タイミングが合わず一度も飲めていない。)そんな中で大御所として意識をしていたのはRed Hot Chiri Peppersだ。2002年の「By The Way」のシングル曲は耳に残っていたし、軽音部に入らなかったものの、最初に買ったギター(AriaPro2の20000円ほどのギター)で上記の曲のイントロを弾いたりした。その後2004年にM-onTVで「Fortune faded」が流れ魅力を感じ、収録されている「Greatest Hits」をレンタル。満を持してリリースされたのが「Stadium Arcadium」だった。リリースが2006年5月9日ということで高校3年生になったばかり。

実は前の週にPearm Jamの「Pearl Jam」がリリースされており、こちらもグランジを超えたポジティブなエネルギーを発散させたロックンロールという感じがしてとても格好よかった。

話は戻るが、Stadium Arcadiamは代表曲「Dani Canifornia」が収録されている。この曲にはとても大きな想い出がある。当時ミュージックステーションに生出演するということで、冒頭にあげた友人が抽選で応募してなんと当選したのだ。しかも確か7番と8番といったすごい数字だった。はじめてテレビ朝日が移転したばかりの六本木ヒルズを訪れた時はまだ現実だと思わなかった。しかし「入場です!」と言われステージの前へみんな走り出す。僕たちも乗り遅れないようにと走る。フリーの前を陣取った。最初はローディの人たちが出てきてリハがあったのだが、5分もすると本物が突然登場する。アンソニー、ジョン、フリー、チャド。「本物のレッチリだ・・・」と目を疑う。わけもわからないうちにイントロのドラムが鳴り響く。とにかく後ろからの圧がすごくて押しつぶられそうだったので、ひたすら叫んでいた気がする。

最後アウトロの有名なギターソロを終えると曲が終了してドラムロールに入る。そして最後、スティックが投げられた。嘘みたいな話だが、僕の手元へ飛んできたのだ!僕は隣の人に少し遠慮する気持ちがありながらも「やっぱり欲しい」と思い手を伸ばした。

気づけば会場から撤収の指示があり、控室のようなところへ観衆は連れていかれた。僕の手にはスティックが握られていた。そうすると皆どうしたか、僕のスティックを触されてくれと僕の周りに集まったのだ。その瞬間「盗られるのでは。」と不安に思ってしまった僕はとても心が狭かった。その時のことはよく覚えている。だけど、結果的には皆スティックを触るだけで、おめでとうと言っていた気がする。僕は自分の心の狭さと皆の優しさを感じ、友人の前で泣いた。

そのスティックは今でも僕の手元に大切に保管されている宝物の一つだ。

曲の話をしていなかったが、お気に入りは「She's only 18」と「C'mon girl」と「Desecration Smile」。「She's only 18」はドゥーミーな感じ。「C'mon girl」はメロウでフリーのブリブリなベースが感じられるまさに2000年代のレッチリという感じの曲だ。「Desecration Smile」は2枚目の1曲目だがアコースティックギターの後ろでギターがメロディを弾いているこちらもしっとり目の曲。

最近になってギタリストが変更となった「The Gataway」も聴いたがこの傾向は続いているようだ。ギターがジョンに戻ったがどうなるのか確認していきたい。

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