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【音楽レビュー】Gary Moore/Wild Frontair

もう一度受験をすると決めてからは孤独との闘いだった。今もコロナで独り身といては辛いところだが、会社に行ったりジムに行ったりで気晴らしは出来ている。それに比べると当時は本当に孤独だったと思う。

予備校は自習室を使わせてもらうためだけに御茶ノ水の駿台に1コマ登録いた。その週1回の授業以外、ひたすら自習室に籠り、週1回コンビニ夜勤のアルバイトをしていた。いつも心が落ち着かず、それでも受験に失敗して採点をしながら涙を流したことを思い出し、僕はまた勉強した。

予備校は21時で閉まるので、そのあと秋葉原のゲーセンに行って少しだけ遊んだり、上野のTSUTAYAでCDを漁ったりしていた。そのうちの一つがこのGary Mooreのアルバムだ。当時ゲームの影響で民族音楽にも興味があったから、それとロックを組みあわせたものということで非常に興味を持った。

すると大当たりだ。1曲目の「Over The Hills And Far Away」から漂う郷愁、そして激しくも切ないギターソロ。これだ!と思った。彼のことは色々調べた。Thin Lizzyのギターを弾いた後ソロへ転向、そしてハードロック期の数枚のアルバム、その後のブルースギタリストへの転身。色々とアルバムを漁ったが、このアルバムが圧倒的に一番いい。「Wild Frontair」の中間部分の唄声も美しいし「The Loner」、そして「Johney Boy」。僕はイギリスの中でも田舎のChepstowというところに行ったことがあるが、そこで見た紫色の空と淡い緑が生い茂った丘の風景を忘れることが出来ない。この曲を聴くとそれを思い出す。(ウェールズと彼の故郷北アイルランドは異なるので、比較してはいけないのだが。)

ここからハードロックにハマっていくことになる。ちなみにこの時Whitesnake「1987」も借りたはずなのだが、19歳の僕にはStill Of The Nightの良さがわからず、真面目に聞かなかった。この時Whitesnakeの方にハマっていたらまた違ったのかもしれない。(その後ハマることになるだが。)最初に買ったのかポルノグラフィティのアゲハ蝶だったので、やっぱり民族系が好きなのかなとも思った。


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