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『ターミナル』#映画

・今日も映画感想の時間だよ~~~~~~!!!!!!!!

・誰も待ってないけどな。

・感想って、多分人生で一番初めに文字として起こすのって、学校の課題で言う「読書感想文」だと思うんだけど、あれ、イカれた文化だよな。

・個人の感性を計ること自体難解な事なのに、それを評価して成績にしないといけないという先生方の苦悩の末生み出された、苦渋の文化。

・成績って結局「一定評価の上か下か」を計る物であって、個人的な感性だの表現力だのという「横の広がり」を計る物じゃない。

・誰かが言ってた「読書感想文はいかに相手(この場合”教師”)を文章で丸め込めるか、という競技に過ぎない。」これに全て詰まってる気がする。

・詰まって無い人は思想が合わないのでこんな辺鄙な個人の駄日記読んでないでYouTubeとか行った方がいい。

・大人になれば読書感想文なんてどこにも提出しなくていいし、自分の感想は自分だけの場所に仕舞って置ける。他人と共有することで仕舞う人もいるだろう。こういう時”老いてよかったな~”と思う。

・他では一切思わない。

・エナドリカフェイン中毒前の健康な肝臓がいと恋しい。

・ということで、哀れにも歳食ってから作品の感想書いておくことにした駄目人間の映画感想文、始めるよ~~~!!!!!!!






「ターミナル(原題:The Terminal)」

【あらすじ】
言葉の分からない空港で足止めされた男。
1ヶ月目--仕事をみつけ、2ヶ月目--友人を作り、3ヶ月目--恋に落ちた。
そして9ヶ月目--ニューヨークに来た理由が明かされる…… 。

ニューヨークJFK国際空港に降り立った東欧のクラコウジア人、ビクター・ナボルスキー。彼の祖国はクーデターによって事実上消滅し、パスポートも無効になってしまったため、帰国することも、アメリカに入国することも禁止されてしまう。

行き場を失い、宛のない空港ターミナルでの生活を始めるが、彼はかけがえのない、果たすべきひとつの約束を抱えていた。

AmazonPrimeVideoより引用


・人類の大半が好きであろうスティーヴン・スピルバーグ監督と、人類のもう大半が好きであろうトム・ハンクス主演のヒューマンドラマ。なので映画の中だと超有名に入るんじゃないだろうか。少し古い作品なので、最近の人は知らないかもしれない。俺も知らなかった。

・祖国がクーデターの影響で消滅し、身分証明が出来なくなってしまった為に空港から出る事も入ることも出来ず、空港で暮らすことになった男の物語。これだけでも大分異色だが、この話のジャンルは「ヒューマンドラマ」なので、まあ感動ものだろうと先入観を持って視聴。

・悔しいが所詮凡夫なので素直に感動した。感動というか、主人公が終始凄いイイ奴で応援したくなった。応援上映とかないんですか?(※2004年の作品)

・空港で暮らすことになった主人公の男ビクター、最初はいろんな人から好奇の目で見られて肩身を狭くして、なおかつ英語が喋れないので意思の疎通もたどたどしい。そんな彼が直向きに空港で生き抜いていく様に、観ているこっちは「頑張れ…!」と応援せざるを得ない。

・一応、空港の管理をしているスーツが似合うハゲのメガネ(偉い人)がいて、何度か空港から追い出そうと接触してくるのですが、主人公にはその場に留まってでも成し遂げなければいけない事があるらしく、かたくなに拒否し続ける。

・母国語と英語のパンフレットを読み比べて必死に英語を覚えたり、無料のクラッカーで空腹を凌いだり、トイレで朝の支度をしたり、使われていないボロい待合所でイスを並べて寝床にしたり、そういうシュミレーションゲームか?というぐらい生活基盤を整えていく。

・人間は頑張るオッサンに弱い。オッサンが汗水たらして逆境を生きていく姿がエンタメとして十二分に通用する生き物、それが人間。なので映画の中の空港で働いている別の人々も、徐々に彼の事を受け入れるようになっていく。

・というより、受け入れるも何も主人公は決して仕事の邪魔をしないから、マイナスなイメージがあまりないのだろう。そこにいるだけの人間に眉を顰める必要はない。一人だけ清掃員のオッサンが「あいつはCIAのスパイだ」とマジで急に妄言を吐くが、これも映画を最後まで観るとちゃんと意味のある言葉になっている。

・で、空港内の人間から徐々に接触を受けるのですが、マジでそういうゲームか?ってくらい「お願い」を聞くことになる。

・ある時は空港のフードサービスに務めている男性から「とある女性に質問をしてきて欲しい」と依頼され、その見返りに空港内の食べ物を貰ったり。(このフードコートの男性、そのとある女性に惚の字なのだ。)

・ある時は空港での一日が暇すぎて、塗装工事途中の壁を勝手に塗って完成させ、それを観た大工の親方らしき人に「良い腕だ、うちで働け(意訳)」と雇用されたり。(実は空港内の大工には派閥があって、主人公の腕がそっちに取られるのを嫌がったため雇われることに。)

・ある時は、とあるCAの恋愛相談や話し相手になってあげたり。(と、言いつつ主人公がこのCAをなんだか気になっているので、話しかけに行っているが正しいのだが、まあCA側も素直で誠実な主人公を微笑ましく思っている様子。)

・極めつけは、主人公を兎に角祖国へ送り返そうと躍起になっているハゲのメガネ(偉い人)に、許可証の無い薬を機内に持ち込もうとしている男性(ロシア人)との交渉の通訳をしろと言われたり。(設定上、主人公の祖国「クラコウジア共和国」は、ロシア語圏となっており、この男性が何故許可のない薬を持ち込もうとしたかまで判明、そして解決させる。)

・そうして様々な問題を誠実に、素直に力になってあげて解決していき、空港での暮らしが徐々に明るい物になっていくのだが…という展開。

・途中の主人公と恋に落ちるCAが普通に問題抱えたヤバ女性なのが推せる。最後に素直にハッピーエンドにならないのも良かった。

・いやある意味ハッピーなのかもしれない。

・何がというとまあ、結ばれんのですわ。主人公とCAさん。途中まではマジでいい感じに進んでいくし、好き合ってるんですが、最終的にCAさん側が振るんですよ。それがいい。

・詳しい説明が映画だとないので解釈次第ですが、俺はこの問題抱えまくりの女性が、主人公みたいな誠実で素直な男と結ばれるのを良しとはしなかったこと。主人公にはまだ素敵な出会いがある、ここは一瞬立ち寄っただけの場所で、運命さえ許せばまた会えると。

・そう解釈できる展開が、まさに「空港」みたいだなと感じたので。

・あんまり恋愛ごとに明るくないのでこのぐらいの解釈しか出来んのですが、俺は強い女性が好きなので、彼女のこういった強かさにもグッと来ましたね。

・で、この主人公には現実世界でのモデルが存在し、実際に1988年からパリのシャルル・ド・ゴール空港にて18年も生活し続けたイラン人のマーハン・カリミ・ナセリさんがそうだとされている。(Wikipedia調べ)

・映画だと脚色されているので、実際の暮らしぶりとは程遠い演出だったらしいのだが、ドジュメンタリーでない以上は作品として見るのが正解な様な気もする。ドキュメンタリーもその限りではないと思いますが。

・久々によいオッサンを浴びれました。

・今日は少しだけ実直に生きてみようかな。〆

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