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夜型の人間

静かな季節がやってきた。
夏の蝉時雨も秋の鈴虫の音色も、全てが夢のようである。
じっと耳を澄ませると、遠くを走る車の音が聞こえるのだ。
夏も秋も、この音はあまり意識に入らなかったと思い起こす。

私の住む場所は、何故か夜にもカラスが鳴く。
これは一年を通して変わらず、丑三つ時などに聞こえるとぎょっとすることもある。
カラスが寝ているところは見たことがないけれど、夜に寝ているのではないのかしら。
童謡で、夕焼けの頃にカラスは家に帰っているとあったから、意識しないうちに頭に刷り込まれている可能性もある。
一般的なカラスは分からないが、少なくとも一羽は夜中にも鳴いていた。
きっと、私と同じように、夜更かしの性質を持っているに違いない。

クリスマスと正月を前にした12月。
何もないが楽しいような気がしないでもない。
こう書くと、いやに捻くれて見えやしないか。
楽しい気分で過ごしているとだけ書けば良いのに、と思うが私は捻くれているから素直に書けない。
サッカーを見ていて感じる試合前の緊張感が、私を高揚させているのだ。
良いゲームがたくさんある。それを見られることは有難い。

サッカーを見た夜中。昨晩もカラスが鳴いていた。
誰かに呼びかけているのか。
あのカラスは話し相手を探しているのかもしれない。
私はいつも勝手な想像を膨らまして、声の主を気にかけている。

創作などの糧にできればと思います。