【東洲斎写楽】木版画査定鑑定買取致します

井浦歳和　ロイドワークスギャラリー roidworksgallery 絵画鑑定•査定

2024年8月13日 22:08

東洲斎写楽
木版、39×26cm

◎東洲斎写楽の木版

東洲斎写楽は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、その正体や活動期間については謎が多いことで知られています。彼は1794年から1795年のわずか10ヶ月間で約140点もの木版画を発表し、その後突然姿を消しました。写楽の作品は、主に役者絵を中心としたもので、彼の描く役者たちは独特のデフォルメや表情描写が特徴的で、当時の浮世絵界に大きな衝撃を与えました。

写楽の代表的な作風として、大首絵と呼ばれる役者の上半身を大きく描いた作品があります。これらの絵は、背景に黒雲母を使うことで劇的なコントラストを生み出し、役者の個性や感情を強調しています。写楽は、人物の特徴を鋭く捉え、特に手や顔の表情に焦点を当てた描写で知られています。例えば、「三世大谷鬼次の江戸兵衛」や「市川鰕蔵の竹村定之進」などは、役者たちの劇中の姿を生き生きと表現しており、当時の観客に強い印象を残しました。

写楽の作品は、時期によって大きく4つに分けられ、その作風も次第に変化しています。最初の時期に制作された作品は特に高く評価されており、後期になると作品の質が低下したとも言われています。このため、一部の研究者の間では、前期と後期の作品は別人によって描かれたのではないかという説も存在しています。

彼の作品は、東京国立博物館などに収蔵され、現在でも浮世絵の傑作として評価されています。写楽の大胆で個性的な作風は、浮世絵の歴史において重要な位置を占めており、彼の影響は現代まで続いています。

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