【田淵安一】油彩画 査定 鑑定 買取 致します
田淵 安一
キャンバスに油彩
◎田淵 安一の芸術
田淵安一（1921年-2009年）は、福岡県小倉市（現・北九州市）出身の抽象画家で、戦後早くからフランスを拠点に活動しました。京都大学で学びつつ、中学時代から絵画制作に取り組み、須田国太郎に師事した後、1947年にフランスに渡ります。パリでは、具象から抽象へと画風を発展させ、ジェラール・シュネーデルやアンリ・アトランらとともに抽象表現主義の「叙情的抽象」に深く共鳴しました。彼の作品は、感情や人間の内面を形にすることを追求し、鮮やかな色彩と躍動的な表現で知られています。
1959年にはパリ郊外のヴォアランに移住し、インド、東南アジアなどを旅して新たなインスピレーションを得ます。1967年にはインド・トリエンナーレに出品し、その後、作品にますます鮮やかな原色を取り入れた具象と抽象の融合を試みました。また、1971年にはデンマークのアメリカン・エキスプレス社屋の陶壁画を手掛けるなど、大型作品にも挑戦しました。
田淵は日本国内外で数多くの個展を開催し、その作品は国際的にも高く評価されました。1985年にはフランス政府より「芸術文化勲章」を受章しています。また、1993年には大阪南港のアジア太平洋トレードセンターに巨大な壁画を制作するなど、晩年まで精力的に活動しました。
彼の作品は、鮮やかな色彩と独自の抽象表現が特徴で、ポーラ美術館や国際的な美術館に所蔵されています。田淵の作品は、感覚的な抽象画と具象の境界を超えたものであり、東洋と西洋の美学を融合させた彼のアプローチは、多くの観衆に強い印象を与え続けています。2009年にパリで亡くなりましたが、その遺産は今なお評価されています。
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