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画家 木原千春 メルカリドローイング販売 1万枚達成について

roid works galleryで2011年から紹介している画家 木原千春のメルカリドローイングが先日販売数で1万枚を超えた。

木原千春のメルカリページ

これは間違いなく画家としてWEB2時代までにおいて前人未到の快挙であると思っている。

木原千春を紹介し始めた一回目の個展2012年の初めてのVitalismでは7点の作品を1ヶ月ギャラリーに並べて、知り合いのギャラリストが1点の15号の作品を購入してくれただけの個展だった。

木原千春がメルカリドローイングを始めたのは約5年前、その当時はroid works galleryで一緒に国内外のアートフェアや毎年一回の個展を中心に活動はしていたが、作品は年間でも、木原を根強く応援してくださるコレクターに数点販売がある程度で、木原も色々とアルバイトをしながら制作をしていた。そのアルバイトも辞めたりまた始めたりを繰り返すのを近くにいながら見ていた(こんな事話ししたら木原千春に怒られるかも。。。。)

そんな時に私は普段の美術品の取引の仕事で京橋にいた時に、とあるスペースでハンドクラフトの市場のような催事が開催されていて、その後の会食の予定までしばらく時間あった私は、本当にプラっとその催事にあまり興味も無かったが立ち寄ってみた。
 その会場ではハンドクラフトの人形やそれぞれの作家のオリジナルキャラクターや猫の置物、アクセサリーなど、私からすると脱力するようなユルい感じの(これは色々怒られそう)ハンドクラフトが30名くらい出店をして販売していた。

しかしどうだろう、数名の出店者の前に長蛇の列、その作品を横から覗いてみてもやはり私にはちょっと分からない世界の作品?とメルカリのQRコード。値段も数センチ程のフェルトでできたような独自のキャラクターの人形に数千円とけっして安いとは私には思えない。でも並んでいる人たちのその作品への熱量は私にも感じることができた。聞くとメルカリではすぐに売れてしまって買えない作家らしく、当日ここに出店することをSNSで知り並んでいるのだという。

この私にとっては奇妙に思えた経験であったが、新しいスマホのアプリやサービスが好きな私はすぐに思いついた。木原千春もメルカリでドローイングでも売れば普段その頃あまり売れてはいないとはいえ、数万円から数十万円で油彩画を売ってるんだし、やってみれば面白いかも?今度会ったら言ってみよう。何よりバイトをしたり辞めたりしなくて良くなるんじゃないか?最初はそんな軽いひらめき程度のアイディアだった。

当時(今もだが)展示以外にも酒飲み友達である木原とは頻繁に飲む機会がある。でもいくら上手く行けばバイトしなくて良くなる可能性があるとはいえ、画家として頑張っている木原にいきなり、フリマアプリで安くドローイングを売れってギャラリーの立場である自分が言ったら流石にキレられるだろうな。。。と考えた。

木原千春の作品の良さの一つは油彩画であれドローイングであれ感覚的な勢いからくる即興性のノリが変わらないところ。その頃すでに数年木原の作品を紹介してきて分かっていた。

ひとしきり考えて固まったのが、
◉価格2,000円・・・・調べたら当時見た作家の数名が自分の作品をそれくらいの価格で出していた。
◉5分以内のドローイング・・・・安価である理由づけと木原の即興性を活かすため。
◉A4の普通紙・・・・それまで高級な和紙などでギャラリーで同サイズにドローイングを15,000円で販売していたのでこれも安価であるための理由づけ。
◉可能限り毎日UPする・・・・メルカリがSNSだとすると頻繁な更新はSNSの定石
◉これらの販売の手数料は一切ギャラリーとしてもらわない。

ここまで考えて木原千春と会って一杯飲みながら提案したが、やっぱり怒られた。。。。( i _ i )

この日どこまでどういう風に話をしたか分からないが、木原もじゃあやってみますよ!。ってなったのは今思うと木原千春との信頼関係の賜物だったと思う。それ以前なら喧嘩別れだ。。。

数日して、記念すべき第一作目が上がったポップアップが私のスマホに飛んできた。。。。当然だが売れない。数日間数点出しても売れない。そのうちの2.3枚は私が景気付けに買った。

そうこうして時間が経つ間にメルカリでの木原のドローイングを見つけた同業者から、あんな事させてて良いのか?など連絡もあったりした。

今の様に要するに「秒で売れる」って成ってきたのはいつ頃か?記憶は定かではないが、メルカリで木原のドローイングが本当にボチボチと売れるように成って来て当初の私の目的、バイトをしたり辞めたりするのを止めさせたい。はクリアできていた頃、メルカリでドローイングを販売している事に1番ギャラリーの立場として嬉しい効果があったのはそれから暫くしての木原千春の個展だ。メルカリで木原千春のドローイングを購入したお客様が数名、個展で木原千春のペインティングを購入してくださったのである。しかも遠方の方からのメールでの連絡での購入であった。

今となれば理解できるのだが、木原のドローイングを直接メッセージと共ににやり取りし購入し、部屋に飾ったり、思い思いに額装してくださったり、プレゼントにしたりしてくださったお客様は木原の今後の展示などもしっかりと他のSNSなども通して追っかけてくださってたのだ。木原も個展のDMができたらドローイングと一緒にDMを同封してくれてるらしい。

こう成ってからは日々木原千春がドローイングを描き、メルカリで販売する毎に、展示をする毎にファンの方が増えて来ている。コレクターであるお客様、画家である木原千春とに好循環が生まれている。

木原千春個展 Vitalism Ⅸ Part1展示風景

去年末から今年の1月まで開催していた 木原千春 個展 Vitalism Ⅸでは前期後期2会期49点の油彩画が2日で完売した。

今回のメルカリドローイング1万枚販売達成の偉業?は木原千春の画家として生きて行く覚悟と努力、それを応援して下さった購入者の皆様とのまだまだ続くストーリーだと思う。






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