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ウマ娘劇場版 影の主人公『フジキセキ』について語る。


映画ようやく観ました

しかも貸し切りで観ました

先日『ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉』を観てきました。
公開からしばらく経っていることと、平日の一番早い時間ということと、地方ということで、観客は私しかいませんでした。最高!

主な舞台は2001年クラシック3冠レースとジャパンカップ。
2001年の年度代表馬、ジャングルポケットが主人公です。
実装おめでとう!

ジャングルポケット(ウマ娘)
ジャングルポケット(実馬) 2001年ジャパンカップ

『なぜウマ娘は走るのか?』を追い求め続ける、最強のライバル、アグネスタキオン
彼女はラジオたんぱ杯(現・ホープフルステークス)でジャングルポケットと対戦しますが、ジャングルポケット含め他ウマ娘のことなどまるで意に介さず、見事勝利。
レース後、ジャングルポケットからライバル宣言をされるアグネスタキオンでしたが、歯牙にもかけない様子。
2回目のマッチレース、GⅠ皐月賞でも絶望的な強さを見せつけた後、アグネスタキオンは引退してしまいます。

ライバルであり、勝つことを目標にしていたジャングルポケットは、どれだけ走っても、もう二度とアグネスタキオンと勝負することはできないという現実を突きつけられます。
ジャングルポケットはこれをどう乗り越え、次走の東京優駿・日本ダービーに向かっていくのか。

・・・というところが主に映画の前半部分です。

と、いうのはひとまずおいといて

映画の導入がジャングルポケットがフジキセキのレースを観に来る、というところから始まるのですが

もうね、ほんと、よくぞやってくれたと。

ジャングルポケットを語るには欠かせない、ライバルのアグネスタキオンと同じくらい重要なフジキセキ。
本馬について、語っていきます。

フジキセキという名馬について

デビューから競走引退まで

フジキセキ 1994年朝日杯

まずはここをご説明しよう。

フジキセキ。まさに『輝石の素質』を持つ名馬だった。
父にサンデーサイレンス、母にミルレーサーを持つ。
1992年に生まれるやいなや、牧場関係者からは同産駒「一番の期待馬」として太鼓判を押されるほどの馬だった。

戦績は4戦4勝。負け知らずであった。

デビュー戦

デビュー戦は新潟・芝1200m
出遅れ、最後方からのレースとなるも、最終直線から独走。
2着シェルクイーンに驚異の8馬身差をつけて1着。
スタートでついたハンデをものともしない、鮮烈なデビューを飾った。

もみじステークス

2戦目はもみじステークス 阪神・芝1600m
レースでは「持ったままで」レコード勝ちの1着。
通常、レース中は騎手が手綱や鞭を使って、馬の進路調整や抜け出しのタイミングを伝えるのが普通だが、このレースではフジキセキの好きなように走らせて勝ってしまった。
馬と騎手の合わせ技で勝つところを、この馬は自身の素質だけで易々と勝ってしまったのだ。
尚、このレースの2着馬タヤスツヨシは、翌年の日本ダービーを制することとなる。

朝日杯3歳ステークス

3戦目は朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティステークス)
中山・芝1600m
3歳の王者を決めるこのレースも1着、見事世代最強を名乗るに相応しい馬となった。
実際のレースがこちら。是非観ていただきたい。

最終直線で内から抜け出し、先頭に立ったフジキセキ。
最後方からスキーキャプテンが追い込んで並びかけるも、勝負根性を見せて伸び、1着でゴールイン。
天才と称されたフジキセキだったが、秘めたるこの根性こそ、この馬の最大の魅力だったなぁと思うものである。

報知杯弥生賞

4戦目は報知杯弥生賞(現・弥生賞ディープインパクト記念)
中山・芝2000m
実際のレースがこちら。是非観ていただきたい。
そしてこれが、映画導入のフジキセキのレースである。

第3コーナーを回り、先頭に立つフジキセキ。
誰しもがこのまま決まるか…と思ったが、フジキセキと後方集団の差が開かない。
追い込んでくるは2番人気・ホッカイルソー。
最終直線でフジキセキとホッカイルソーが並ぶ。
天才フジキセキもここまでか、と誰もが思った。

が。

ゴールより残り100m地点。
フジキセキがホッカイルソーを突き放し、結果2馬身半差をつけて1着。
並ばれてから突き放したその瞬発力は2段ロケットにも例えられた。

この勝利を持って、いよいよクラシック路線に挑んでいく。
そして世代最強、中心の存在はフジキセキだと、誰もが思っていた矢先、フジキセキは引退してしまう。

『競走馬の不治の病』こと屈腱炎を発症したのだ。
復帰までには1年以上を要するとの診断で、引退・種牡馬入りとなった。
結果として、この弥生賞がフジキセキの最後のレースとなってしまった。

競馬に『もし…』は厳禁とわかっているけれど

フジキセキ不在の1995年クラシック。
引退していなければ(故障していなければ)フジキセキは3冠を取れていた、という人もいる。
個人的には菊花賞がどうかは置いておいて、皐月とダービーならば勝てたような気もする。

勿論、無事是名馬というように、結局は順調に使って無事に勝った馬が強い。
フジキセキの前にも後にも、無事に出走していれば勝てた「かもしれない」馬は山程いる。
が、そんな馬たちと比べても、フジキセキは真の『幻の3冠馬』であった。
それだけ強かった。そして、それだけ可能性を感じさせたということだ。

ジャングルポケットとの関係

ウマ娘では、フジキセキに憧れるジャングルポケットだが、史実ではどのような関係だったのであろうか。

実はこの2頭…
馬主、調教師、担当厩務員が全く同じなのだ。
またジャングルポケットの3戦目(ラジオたんぱ杯)からは、フジキセキの手綱を取っていた角田騎手が乗ることとなった。

そしてジャングルポケットは、フジキセキが進めなかったクラシック路線に歩みを進めていくこととなる。

フジキセキの引退に涙を飲んだスタッフ陣は、ジャングルポケットがダービーを制覇した時に大層喜んだとのこと。

ちなみにこの動画を観れば、映画のタイトルの意味が分かります。

さて。

劇場版『ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉』では、ジャングルポケットのダービー後の姿も描かれます。

ダービーを勝っても、チラつくアグネスタキオンの影。
秋戦線に向かう心境やいかに。
新たに生まれる好敵手たち、菊花賞でのVSマンハッタンカフェ、JCでのVSテイエムオペラオー。

是非、劇場でご覧ください。

6月8日から4DX上映も始まっていますので、一度観た人も、もう一度劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

それでは。

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