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「プリンキピアを読む」を読む 渦動説

「貪欲になれ」とは師匠の教えだったが、これは原書だとかなんだとか言ってないで、文庫でこなれた研修者がこれまたこなれて編集者と編纂した百ページくらいの本を読めということで、もともとブルーバックは読んでいたがよさそうな本があった。しかし千円超えちゃうんだからたいへんだ。

英語版はこちらのサイトにあるが、ブルーバックでこれまた3巻本で立派なのが出ている、買ったとしても読み方がわからないと楽しめない。つまり楽しむことにどん欲になれというのがここでは師の教えと考えた方が良い。

和田さんはプリンキピアの説明のために15章だての本を作った、対するプリンキピアは3部構成になっている。順番に本を読みたければ5章から読み進めればいいが、要点は最後の15章に書いてある。一つは背景知識としてデカルト譲りの渦動派というものの存在を知っていた方がいいという点だ。

渦動説にはエーテルという考えがあり、これはパリ王立科学アカデミーの測量結果により、ニュートンに軍配が上がりその後デカルトの考えは廃れていったそうだが、19世紀にまた光の論争でエーテルの考えが復活する。

19世紀のエーテルの否定をしたのはアインシュタインだったので、科学の歴史はこのエーテルの否定ぬきには語れないということらしい。

ニュートンが素晴らしかったのは、すべての原理を一つ一つ発見したことではなくて、前史においてケプラーが3法則を、ガリレオが落下の法則を見出していて、その背後にある力はどんなものかというのを、幾何学チックな独自のアプローチで編纂したところにあると書いてある。


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