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チョコレートの騎士道

バレンタインのうた

恋とは
せつないもの
秘めるもの
騎士の時代から
こころにたいせつなものをおきながら
その天国の宝を
地上にはもたらさないもの

昭和を代表する
日本文学史家
ドナルドキーンは
「日本人に、このような騎士道(恋)
が理解されるかは甚だ疑問だ」
としている

(おっしゃる通り
わたしにゃ
あんたらの
考えてる事なんざ
分かりゃしませんよ!)

こころに、たいせつな人をおきながら
それを
穢(けが)そうとせず
告解(懺悔:告白)のときだけは
饒舌になって
金(ちじょうのたから)を悪とするのに
それらの粋を、教会のもと、世界中のひとを
その同じ教えのもとにしようと
したひとびと

バレンタインは
カソリックが生んだ
行事だ

けれども

騎士ランスロットは
主君のたいせつな妻を
穢すまいとして
大いに穢し

神の国の実現と
平和を求めるこころは
人と殺(あや)めまいとして
とにかくたくさん殺(あや)め

金を悪とする
教会は
金から遠ざかるどころか
最も金が集まる場所の一つとなりえ

いつしか
心のよすがとして
プロテスタントの心意気が生まれ
博愛の
博愛の精神が
うまれるが それは

好きな人に 好きなだけ
好きなときに 好きといい

好きな土地で 好きに生き

好きな土地の 好きな人と
好きに
結婚をし それから大好きな

家族と 好きに暮らす

神さまの ためでなく
お互いの ためだけに
信じて 尊重しあい
ときに 貯蓄を 人生の
バロメーターにする
そんな プロテスタントたち

チョコレートは、プロテスタントとともに
生き、ひとびとを
いつも見守って来た

一方で 
プロテスタント風の考えは
人に「天職」のこころを呼びさまし
職業人のプライドは火花をちらしながら
技術革新に拍車をかけ
つねに新しいもの
新しい人
新しい感情(=勘定)を
おいもとめる

発展は、奇形にちかいねじれをふくみ
富と技術は
とぐろ(coil)をまいて
世界にまんえんし 戦争や
恐慌、飢饉、疫病がおこり
そのために死体の山は
日に日に
増えるばかり

富める人はより富み
貧しさは なくなることがない


それでも
我々は
愛する事を
やめない

だから きみは
ゆうきをだして
チョコレートをかうんだ!

そのむねに ひめた恋を
チョコレートという道具で
愛の魔法へ代えるのだ

(その財布の数千円をいま、
この愛に かけろ!)

すべての
ただしいこと
ただしくないことは
思い出の中に
見いだせる

さまざまなギセイを経て
人々はこころに
自由な愛を手に入れた

君の心にある愛は
一つの希望だ

だから チョコレートを
かうんだ!

苦くて
あまい
この想い出のつまった
チョコレートを

苦くて
あまい
この想い出のつまった
チョコレートを

かうんだ!

かうんだ!

かうんだ!


****

「おとうさん」
「なんだァい マァ?」

「チョコをあげるよ」

「ワ ワ!ありがとう!」


チョコレートカスタマイズ 
おわり

チョコレートカスタマイズ #14


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