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国内全興行データでみる2022年の日本プロレス界


2022年の日本プロレス界がどうだったのか、全興行データから今回も見ていきます。

注)今回のデータは海外のプロレスデータベースサイトCAGEMATCHに掲載されたデータを独自に集計・解析した結果のため各団体の独自発表とズレ・抜けなどあると思いますので参考までにしてください。
(当記事は2023年1月1日にプロレス統計にて公開した記事を転載したものです)


総観客動員・イベント数

2012-2022年観客動員・イベント数推移

 2022年の観衆数発表のあったイベント数は1590件総観客動員は72万3823人となりました。日本では2020年2月ごろから新型コロナウイルスの感染拡大によるイベント中止などが始まりましたので2020年を境にイベント数と動員数が大きく減少しました。2021・2022年はどこからの回復度が注目ですが、イベント数は2021年から微増程度で件数としては2012~2015年頃のイベント数に近い水準まで回復したといえます。一方で動員は2020-2021年よりも大きな伸びを示していますが、依然として2019年以前の7割程度の動員となっています。

平均動員

2012-2022年平均動員推移

 総動員・イベント数から計算される平均動員が上図。2022年の平均動員は455人/大会になりました。昨年2021年から比べると+100人/大会以上の増加とかなり改善が見られました。一方で2019年以前の水準と比べるとまだかなり低いままの様子。

観衆発表アリ・ナシ大会内訳

2012-2022年観衆発表アリ・ナシ内訳

 先ほどの図では「観衆発表があった大会のみ」の合計を示していましたが、実は観衆発表がなかった大会が2020年以降増えています。そもそも無観客の大会・中継のみの大会なども増えたのもありますが、2019年以前と比較するとその割合がかなり増えているような状況があり、2022年は観衆発表あった大会1590件に対して、観衆発表なかった大会は939件にも上ります。このため合計の大会数は2529件にも上り、実は2012年以降で最多のイベント数になっています。

 観衆発表がなかった大会調べてみると、Sportivaの水曜カレープロレスやみちのくプロレスの道場プロレス、大日本プロレスの商店街プロレスなどイベント系の大会も多いようですがそれ以外のシンプルに観衆発表をしなくなった大会も多いということかもしれません。

2012-2022年観衆発表大会割合

 上図は全大会に占める観衆発表あり大会の割合の推移。2019年までは80%台だったのが2020年を境に発表率は大きく値を下げて60%台になり、2022年は62%という値になっています。解析をする上ではこのように観衆が不明な大会が増えることは実態をつかむうえでは困る気はしますがいかんともしがたし。

団体別動員割合


2022年団体別動員割合

 2022年の団体別の動員割合について、全体の5%以上の割合を占めた6団体までを示したのが上図。新日本プロレスは21万7099人(30.0%)、Stardomは7万6119人(10.5%)、DragonGateは6万9509人(9.6%)、プロレスリングノアは5万236人(6.9%)、全日本プロレスは3万6929人(5.1%)、DDTプロレスリングは3万6752人(5.1%)となりました。

2012-2022年団体別動員割合推移

 団体別の動員割合についてはここ数年でかなり変動がありますが、まず挙げられるのは新日本の割合の減衰。2020年に単独で50%の動員を占めていましたが、2021年、2022年と減少を見せています。これに関しては2020年が特殊だったという感じですが、2019年以前年々割合増やしていたのとは傾向が逆になっており、水準としては2015-2017年あたりの占有率になっています。もう一つの大きな傾向としてはStardomの大幅な伸びで、2020年まで5%未満の占有率だったのが2021年は9%、2022年は10%になっています。

2012-2022年団体別動員数順位表

 上表は2012-2022年の団体別動員の上位10団体をまとめたもので、先ほどの円グラフで示した団体には同じ色が使ってあります。この見方で言うとStardomが、もともとTOP10には入る団体だったのもわかりますが、2020年以降急激に順位を上げていることが分かります。

コロナ後回復率

2020年以降 月別動員回復率

 前述のとおり2020年からのコロナウイルスの蔓延でイベントの中止・無観客開催・キャパシティ制限などが実施され、動員面で大きく制限を受けておりました。その後徐々に各制限が撤廃・緩和されていきましたが、果たしてどこまで回復したのか?示すのが上図。各月の動員について2019年の値との比を示していますが、青色で示した2020年の場合1月は前年を大きく超え、3~6月にはイベント中止・無観客開催で大きく減少していました。その後2020年7月以降は順次キャパシティ制限の中で興行が再開されたわけですが、2020年の7月以降と2021年(オレンジ)は2019年比0.5あたりを推移しておりあまり変化はない感じではありました。比較的改善が見えたのは2022年(緑)の3月以降で、動員費が2020年に比べても増加し、コンスタントに0.7前後の値になっていることが分かります。詳しい情報は調べ損ねていますが、おそらくこのあたりから各会場でのキャパシティの制限がさらに緩和されたものと考えられます。とはいえ2019年と同様のレベルにまで回復した月はまだなく、完全に「以前と同じ水準」になるにはまだ時間が必要とみられます。

所感雑感

 というわけで今年も全興行データでの解析を行ってみました。今年は「後で資料的に見たときに見やすい感じ」だったんですが果たしてどうなんですかね。それはさておきここ数年のデータはコロナっていう過去に例のない出来事による業界への影響っていうのが見える意味で重要だったり、ブシロードがめっちゃ入れ込んで伸ばしているスターダムの変動だったりが見れるので興味深いデータにはなったんじゃないかと思います。おおよそ解析はやったと思いますが「こういうデータが見てみたい」という要望があればまた解析してみたいと思いますのでコメントなりなんなりお願いします。

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