【過去記事】落ち葉#1 「ある夜の海で」

「落ち葉」シリーズは、自分の書いた短い文章、言葉を吐き出すシリーズです。言いたいことが口から出ないのは想いで詰まっているから。想いを吐き出すと、言いたいことが自然と出てくるはず。だから、人に見せられる文章か否かは考えず、どんどん書いていこうというシリーズです。多くの落ち葉は、他の生き物の栄養になります。たまに素敵だと思う落ち葉が見つかります。読者のみなさんの腐葉土に、自分自身の腐葉土になればと思います。

夜の海、小雨が降っていて、少し波が高かった。岸壁に次々とぶつかる波の音が嫌に大きく聞こえて、自分の力ではどうにもならないようなものを感じた。でも、僕の隣にはそのどうにもならないようなものを一緒に乗り越えていけると思える人がいた。その人の鼓動と温かさを感じられる近さになると、どうしてか身長を聞かれた。しばらく、そのままだったけど、やがて帰路に着いた。その人が何を考え、思っていたのかは分からない。でも、その時僕はずっとこのままだったらいいのにと思っていた。


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