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週刊ゲーム漂流記:第2回『Skeletal Dance Party』

メジャーマイナー・プラットフォーム・有料無料・新旧問わず、面白いビデオゲームなら何でも紹介していこうというコンセプトの「週刊ゲーム漂流記」。
第2回は、ハロウィンの夜にぴったりなダンシング・ストラテジーアクション『Skeletal Dance Party』

本作は、狐っ娘ネクロマンサーのRevaを操り、死体から生成したスケルトンなどのミニオンを従えてダンジョンを攻略していくストラテジーゲームだ。元になったのは、フリーゲームとして配信され好評を博していた『Skeletal Dance Simulator』というタワーディフェンスゲームだが、ゲームを拡張していく過程でストーリーやキャラクターが追加されていき、最終的にはジャンルも変更された。

ある日、Raveが出会った陽気な頭蓋骨“Funny Born”。彼のために、最高に盛り上がるパーティを開催してあげるのが本作の目標だ。
ミッション式でダンジョンを攻略していく過程で、新たな協力者と出会い、少しずつ最高のパーティの実現へと近づいていく。

最大の特徴は、何と言ってもそのハイテンションな立ち振る舞いだろう。ゲーム中は常に楽しげなダンスミュージックが鳴り響き、ボクセルビジュアルで表現されたキュートでポップなキャラクターたちは、いかなる状況でもずっと踊り続けている。
会話中でも踊る。イベント中でも踊る。移動中でも踊る。戦っていても踊る。敵も味方も踊る。骨も幽霊もゾンビも踊る。踊る。踊る。踊る。インド映画も顔負けのダンス狂い。何が彼女たちをそこまで掻き立てるのか。この世界では踊っていないほうが異常なのだ。

魔女を忌み嫌い敵意剥き出しで襲いかかってくるパラディンの軍勢。戦う前から全員見えない何かと戦っているかのように踊り狂っている。

もちろん、主人公であるRevaもリズミカルにステップを踏みつつ、死体から華麗にスケルトンを生成していく。スケルトン自体はあまり丈夫ではないのであっさりやられてしまうが、敵を倒せば死体ができるので、消耗品感覚で使い捨てていく。AIで動いているスケルトンは、敵を発見すると自動的に攻撃してくれたり、カーソルで目標を指定するとある程度は指示に従ってくれるのだが、基本は踊りながら好き勝手に動き回るので、立ち止まっているとめちゃくちゃぶつかってくる。泥酔した酔っぱらいか。

ダンジョンは入る度に構造がランダムで生成されるが、各所には武器や防具が落ちていて、それらをスケルトンに装備させると、能力の向上や戦闘スタイルを変更することができる。しかし、特に指示しなくても勝手に拾って装備し始めるので、気づくとシルクハットやピエロの帽子を被ってトランペットを吹きながら踊り狂うスケルトン軍団が形成されていたりする。こんなに生き生きしてる骨たちも中々いないだろう。

また、Revaにも、杖、テディベア、靴、帽子、リボンと、5つの特殊なスペルが宿った装備枠がある。周囲に強力な衝撃派を放ったり、死体からミルク(回復アイテム)を生成したり、より多くのスケルトンを使役できるようになったり、パンプキンヘッドなどの使い魔を生成できるようになったりと、ダンジョンを攻略する上でとても役に立つ。

メインミッションをクリアしていくと、パーティ会場に参加者(スケルトン)や新たな協力者がどんどん増えていく。一度入手したアイテムなどもコレクションされていくので、遊べは遊ぶほど賑やかになっていく。

ハイテンションなスライム娘や、デコレーターの幽霊男子や、トラップ作りが得意なゾンビ娘など、ダークポップな世界観らしい個性豊かな面々が登場する本作。
その中でも飛び抜けて魅力的なのが、主人公であるRevaだ。
魔女のとんがり帽子から突き出たキツネ耳に、ふさふさのしっぽ、年端もいかない幼気な顔立ちながら、ネクロマンサーとして大量のスケルトンを使役して進軍するギャップ。3Dのちびキャラはボクセルスタイルにも関わらず、しっぽにおしゃれなリボンがチャームポイントとして付けられていて、ちょこちょことステップを踏みながら踊る様子は小動物的可愛さが溢れている。また、その声にも注目してほしい。声自体のキュートさもさることながら、声優さんの演技力が素晴らしく、早口で抑揚のある喋りに悶絶してしまいそうになる。

外見、仕草、生い立ち、あらゆる要素がKawaiiで溢れているRevaちゃん。キツネ耳用の穴が開けられたとんがり帽子などは、とてもポイントが高い。

本作には、カメラ操作とそれに準ずる操作性の悪さや、一部のスペルアイテムが強力すぎてスケルトンに戦わせるよりもRevaが突っ込んだ方が早くなってしまうといった、主にバランス面でストラテジーとしては練りが甘い点などが見受けられる。
しかし、キャラクターの可愛らしさ、最大で最高なパーティを開催するという割り切ったストーリー、誰もが音楽に合わせて踊っているというハイテンションな世界観、そこに魅力を感じられれば、きっと心も踊るような体験をもたらしてくれることだろう。

今年のハロウィンの夜は、愉快で騒がしくてちょっぴり不気味なダンスパーティに参加してみてはいかがだろうか。

購入は上記から。

ココイチでカレー食べます。