リトルナイトメア2考察

※当然だけどネタバレだらけです。未プレイの人はクリアしてから読みましょう。

・1との繫がりは?

1の主人公であるシックスがパートナーとして登場するが、モノがシックスと出会った時点では、シックスはまだトレードマークの黄色いレインコートを着ていない。チャプター2の学校を抜けた後、雨が降りしきる街の中で見つけて初めて着用することになる。

また、ファントムを全員見つけてクリアすると、エンディング後に追加シーンが入り、電波塔から脱出できたシックスが1の舞台であるモウのチラシを見つける描写が見られる。このことから、シックスはモウに連れてこられたのではなく、何らかの目的で自らモウに侵入したことが分かる。

余談だが、1の開始直前に首吊りをしているように見える足の長いスーツ姿の人物が出てくるが、ノッポ男と酷似している。

・モノの正体は?

エンディングにより、モノ=ノッポ男であることが判明する。電波塔から脱出できなかったモノが、最下層で孤独に成長した姿がノッポ男である。
また、ゲーム開始時にモノが目覚めた場所にはテレビがあることから、ノッポ男が誕生したと同時にモノも誕生したと思われる。

そのことにより、「ノッポ男とモノが誕生する」→「モノがシックスと出会う」→「モノがテレビを介してノッポ男と接触する(この時にモノは少しずつ力が覚醒していき、シックスはモノの正体に気付いていく)」→「モノによって外の世界に解き放たれたノッポ男がシックスを拐う」→「モノがシックスを助ける」→「電波塔から脱出できなかったモノがやがてノッポ男になると同時に外の世界ではモノが誕生する」……という因果のループが発生してしまう。

・電波塔の正体は?

リトルナイトメアの世界を狂わしている元凶が電波塔。その電波塔を作り出し、怪電波を通して世界を監視・操作しているのがノッポ男。目的はシックスを探し出すこと。

ノッポ男自体は、扉の向こうにいるので自由に動けない。モノがテレビを介して扉を開けたことにより、初めて外の世界へやってこれた(チャプター4の終盤)。子供が描いた絵の中にノッポ男らしき姿があるのは、夢の中に出てきたとかその辺り。

怪物化したシックスが大切に抱えているオルゴールを壊すと、電波塔も崩壊するので、シックスの思い出だとか記憶が具現化しているのかもしれない。もしくはそれをエネルギー源としている。

モノとノッポ男が同時に存在していることから、電波塔内の時空は歪んでいることが分かる。電波塔が存在するにはノッポ男とシックスが必要という事実から逆説的に考えると、ノッポ男とシックスは常に電波塔内に存在しているということになる。モノが成長してノッポ男になる間はノッポ男もシックスも不在ということになるが、それはあくまで電波塔内の話であって、外界には影響しない。

・シックスはなぜモノの手を離したのか

前述の通り、リトルナイトメアの世界そのものが、「モノが目覚めて、シックスと出会って、いくつもの困難を二人で乗り越えて、最後に電波塔で別れる」という因果のループありきで形成されている。シックスがラストでモノの手を掴みながらも離してしまったのは、そのことに気付いてしまっていたから(病院でテレビの周波数を合わせたあとにモノを怖がるような仕草を見せたので、あの時から何となく勘付き始めていた)。モノを助けて一緒に脱出してしまえば、因果のループが崩壊して、電波塔も存在しなくなり、今の世界そのものがなくなってしまう。世界というより、モノの存在が消えてしまうことを恐れたのかもしれない。元々モノを見捨てるつもりならば最初から手を掴もうとはしないはずだから、あれは「一緒に行きたいけど行けない」というシックスのジレンマを表していたんだと思う。そもそも、ここに来るまでの道中で何度も同じシチュエーションを繰り返しプレイヤーに体験させたことから言って、単純な理由ではないだろう。シックスはモノを救うために手を放した、強くそう思うし、そう思いたい。

しかしモノにとってはそうじゃない。シックスに裏切られたと思っている。その黒い感情を抱えたまま、気が遠くなるほどの年月を電波塔の最下層で過ごして、ついにノッポ男になったモノは、もはやモノだった頃の記憶はなくただシックスに対する憎悪のみによって動いていたのだろう。電波塔から発せられる怪電波は、モノの憎悪に染まっている。それが世界を狂わせている。

※個人的な希望的観測
【ノッポ男になったモノは、おそらくシックスを外に連れ出してしまったことをずっと後悔していたので、安全な電波塔に幽閉して守ってあげようとしていた。怪物化したシックスが、出会った時と同じくオルゴールにすがりついていたことから、モノの持つ外の世界を知る前の幸せなシックスのイメージが具現化したと思われる。モノは電波塔を作り、怪電波を通して世界を監視・操作してシックスを探していた】

・まとめとシリーズの今後

本作のあらすじは「テレビを介して世界に広がる悪の源を暴くため電波塔へ向かう」とあるが、電波塔そのものがモノとシックスによって生み出された存在だと言うことを考えると、とんでもなくエグい話。
モノはやがて自分自身であるノッポ男と対峙し、見事に打ち克つが、それはこの世界を救う希望への光ではなく、ずっとこの世界が続いてしまうという絶望の闇に他ならない。シックスを運命から救おうとする行為そのものが、シックスを運命へと縛り付ける行為になってしまう。
この一連の流れは、電波塔を永久に維持するためのシステムなのかもしれない。いや、あの世界そのものを生物とするなら、新陳代謝といえるかも。やだなぁ。泣いちゃう。

こんな酷い話を突きつけてきたんだから、開発のTarsier Studiosは責任を持ってあの世界の、シックスの行き着く先を見せて欲しいものだ。しかし、最悪なことに、もうその願いは叶わないかも。

ぎゃああああああ! 買収されてた! しかも買収した親会社の意向だと、もうリトルナイトメアは作らせてくれなさそう。権利を所有しているのはバンダイナムコだから、会社間の利権が絡んでくるので、2が爆売れすればきっと3も出るという単純な話にはならないし。出るとしてもTarsier Studiosが関与しないリトルナイトメアとなるので、実質的にそれはもう自分の望んだシックスのストーリーではない。うーん。まあTarsier Studiosがそもそも2で完結っていう方針だったら納得はするんだけど。その辺りどうなのかなあ。

ココイチでカレー食べます。