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労働契約申込みなしの適用数は把握せず…|迷想日誌

労働新聞12月9日号1面で報道したとおり、いよいよ労働者派遣法改正に向けた審議が始まりました。

今回の見直しは、平成24年と27年改正事項のフォローアップが中心で、いつまでに結論をというものでもないようです。
しかし、当然、いずれかの項目で改正すべき点が見出されるでしょう。
日程的には、早ければ令和3年の通常国会に改正案提出が可能です。

それでは、派遣の主な実態についてご紹介していきます。
まず、指導監督の実施状況です。指導監督件数は、23年度以降、毎年度1万2000件から1万4000件で推移し、このうち文書指導実施件数は8000件から9000件となっています。8割が派遣元、1割程度が派遣先に対するものです。
就業条件明示、派遣元管理台帳、契約締結の際の記載事項などに関する指導がめだちます。

直近3年の行政処分件数は、届出事業者である(旧)特定事業所による関係派遣先報告の未提出による事業廃止が多く、28年度に486件に達しましたが、30年度に50件に減少しました。また、許可事業者の処分件数は毎年度10件前後となっています。

次に日雇派遣ですが、24年改正で原則禁止とされて以降、従事者は急減し、おおむね3万人前後で推移しています。
30年には2万5433人となっています。内訳は、生計者でない者が43%で一番高く、昼間学生が25%と多くなっています。
業務は、添乗が最も多く33%、受付・案内が27%、事務用機器操作が14%などとなっています。
派遣料金・賃金は、24年改正後ともに上昇し、29年度では派遣料金が2308円、派遣賃金が1636円となっています。

30年12月末日までの間に、同一組織単位への継続就業が3年に到達した有期雇用派遣労働者であって、引き続き就業することを希望した者に、どのような措置を実施したかでは、第1号措置(派遣先への直接雇用の依頼)が33%、第2号措置(新たな派遣先の提供)が59%、第3号措置(派遣元での派遣労働者以外の労働者としての無期雇用)が6%、第4号措置(紹介予定派遣など)が0.8%、未対応が0.2%でした。

注目の労働契約申込みなしの適用状況ですが、民事関係なので労働局において把握はしていないと逃げています。実態が分からずに見直し検討など不可能ですので、公開を求めたいと思います。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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