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労働新聞編集長の気ままに労働雑感

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#労災

健康づくりを通じて行動災害防止を|気ままに労働雑感

小売業や介護施設など第三次産業における労働災害増加を受け、厚生労働省は今年5月、とくに増加の顕著な転倒・腰痛の防止・予防対策に関する検討会を設置し、議論を開始しました。 6月19日に開いた第2回会合では今後の論点として、(1)安全衛生教育のあり方や関係者の意識改革、(2)業種・業務の特性に応じた取組み、(3)職場における対策の実施体制の強化、(4)労働者の健康づくりによるアプローチ――などが挙がりました。 もちろんどの項目も重要ですが、注目したいのが、(4)の健康づくりによる

運転者の休息時間は9時間?11時間?|気ままに労働雑感

厚生労働省の労働政策審議会の作業部会はこのほど、バス、ハイヤー・タクシー運転者に関する労働時間等改善基準告示改正に向けた報告を取りまとめました。 運送業で脳・心臓疾患による労災支給決定件数が多いことから、過重労働防止対策として告示見直しに向けた検討を進めていました。 報告では、バス、タクシー(日勤)ともに現行告示によって「勤務終了後継続8時間以上」と定めている1日の休息時間について、「勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回らないものとする

安全対策強化し年末の災害防止を|気ままに労働雑感

昨年に引き続きコロナ禍のもとで企業活動が行われてきた令和3年も、残り3週間余りとなりました。 今年は全国で死傷労働災害が増えているため、慌ただしさが増す年末には、各社における一層の安全対策の強化が求められます。 厚生労働省がまとめた令和3年における労働災害発生状況(11月速報値)をみると、死亡者数は前年同期比28人(4.8%)増の613人となっていて、休業4日以上の死傷者数は同1万8,537人(20.1%)増の11万910人と大幅に増えています。 死傷者数は、製造業や建設