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梅雨葵の花は咲いているか

(文責︰はむすた)

タチアオイというアオイ科の植物がある。

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私の知る限りでは本州から九州のどこでもだいたい見ることができ、民家の庭や空き地、道路脇によく生えている。

「アオイ」というだけあって、花の見た目はアオイ感満載。

毎年、6月頃になるといつの間にか背を伸ばして、花を咲かせ始める。

多年草なので1年中同じ場所にあるものの、背が伸びるまではまったく存在感がないので、6月頃に「急に現れた」感じがするのだ。

そのため昔から、「タチアオイの花が咲くと梅雨が始まる」と言われてきた。

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タチアオイの花は、縦に並んだたくさんのつぼみのうち、下の方のつぼみから開いていき、徐々に上へ上へと開花が進むため、「タチアオイの花が一番上まで咲くと梅雨明けする」とも言われる。

梅雨を知らせるアオイであることから「梅雨葵(つゆあおい)」の別称を持つほどだ。

ところで、このタチアオイ、かなり背が高い(2メートル超になることも)にも関わらず、自分自身を支える力があまり強くない。

その結果、実は開花が進む間に次第に自分の重さを支え切れなくなり、ついに地面へ倒れてしまうことがよくある。

つまり、上まで全部花が咲いて梅雨明けを知らせる前に、姿を消してしまうのだ。

今年の関東甲信は13年ぶりに8月に入ってからの梅雨明けとなり、梅雨明け日としても統計史上3番目に遅い記録に並んだ(梅雨明けを特定しなかった年を除く)。

無事に梅雨明けを知らせることができた梅雨葵は、どれほどいただろうか。





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