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【王座奪還の条件】横浜F・マリノス2021シーズンプレビュー

さあ、いよいよ新しいシーズンが始まります。


今季の目標は王座奪還、リーグ優勝です。


マリノスのリーグにおける相対的な実力、立ち位置は正直わかりません。

いや昨季の川崎めっちゃ強かったし積み上げ期を経た鹿島とかも強そうだけど、

それでもこのクラブがたどってきた文脈を考えたらやはり優勝を目指すしかないと思っています。実際にクラブとしても優勝を念頭に置いたチーム作りをしているはずです。


では、そこに至るための展望を書いていきます。

構成は以下の通りです。


①編成の評価
②王座奪還のための条件
③チームマネジメント、システムのお話
④今季のアウトプット方針

では、始めます。


【編成の評価】

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今季の編成について述べておきたいと思います。

弊クラブが誇る敏腕強化部は今オフも様々なアクシデントに見舞われながらも着実に、かつ迅速に動きました。

ここでは、加点要素と減点要素の2点を挙げておきます。


⑴加点要素
 ◇昨季主力の大多数が残留
 ◇実績のある即戦力補強
 ◇"エリキ・ショック"にすかさず対応
 ◇外国人枠を一つ残していること

⑵減点要素(次項にて詳述)
 ◇昨季の得点源を失ったこと(エリキとジュニオール・サントス)


まずは昨季主力のほとんどを残留させたことを高く評価すべきだと考えます。昨季はACLのために平時よりも厚めにスカッドを組んでいた節があったのに対し、今季はACL出場権がないわけですから、もっと多くの選手が他クラブからのオファーに飛びついていた可能性がありました。

これをしっかりとプロテクトして戦力ダウンを免れたのは、ここ数年に見られる強化部の迅速な契約交渉と日頃からの入念なコミュニケーションの賜物なのでしょうね。

それに加えてブラジル1部での実績を持ったエウベルをフリートランスファーで獲得し、ブラジル2部得点王のレオ・セアラ、さらには五輪代表の岩田という実績のある選手を獲得できたことが素晴らしいです。
彼らがいかにしてマリノスにフィットし、チームに貢献するかは現段階ではわかりようがないので、編成の評価としては、このクラスの選手を獲得できたことをとりあえずは手放しで称賛して良いと私は考えます。

あともう一つだけ。個人的に加点要素として声を大にして取り上げたいのは、"外国籍枠を一つ残していること"です。現時点で外国人枠は4/5枠(チアゴ、マルコス、エウベル、レオ)を使っているので、1枠余っています。

こうして1枠余らせていることによる恩恵をいつ受けるのでしょうか?
それは""です。

これまでの傾向を見ていると、アンジェ・ポステコグルーのサッカーが1シーズン決まりきった形で貫かれたことは一度もありません。必ずシーズンの途中でマイナーチェンジをしています。すると、変化した後のサッカーに合う、ハイクオリティな選手を夏の移籍市場で獲得する必要性に迫られます。
2019シーズンのエリキとマテウス、2020シーズンのジュニオール・サントスのような選手です。

それを見越してなのか、結果的にそうなっているだけなのかは分かりませんが、外国人枠を1つ残していることが夏の移籍市場での動きやすさをもたらすことは間違いありません。

今季はどんな怪物が横浜にやってくるのか、今から楽しみにしようではありませんか!


【王座奪還のための条件】

では、王座奪還のために何が必要か?その条件を考えてみます。

ここでは4つの条件を挙げます。
実際にはもっとたくさんあるでしょうから、これが必要だと思うものに関しては引用リツイート等で皆さんに挙げていただきたいです。

〜①変化〜

最初の要素は非常に抽象的です。

正直言って、2020シーズン終了時点での選手起用、序列、戦い方のまま2021シーズンも勝ち続けられるとは到底考えられません。

2019シーズン後半のJリーグを席巻したこのやり方は、安定感があり、一定の勝ち点は保証してくれるでしょうが、その一方でこれ以上の成長はもたらしてくれません。例えば単発の試合では勝てても、5連勝はなかなかできないでしょう。

このマルコスをトップ下に置いた4-2-1-3のシステムに対する戦い方がリーグ全体に共有されつつあることは昨季の戦いぶりを見れば火を見るよりも明らかでした。

よって、何かを変えなければならないのです。

それは立ち位置なのか戦い方なのか、はたまた選手起用の面なのか。
あえて具体例を挙げるとすれば、喜田と扇原という素晴らしい補完性を持ったダブルボランチのコンビの間に割って入る選手が出てくる必要があります。

同じような配置であっても、新しい選手が入ることによってチームの攻め方・守り方が変わる。そういう変化のつけ方もありますよね。


〜②"26点"の穴埋め〜

昨季からの不安要素で言えば、エリキとジュニオール・サントスが抜けてしまった穴を埋める必要があります。

彼らが昨季リーグ戦であげた得点数はそれぞれ13点ずつの計26点。しかもそれをほぼハーフシーズンで奪ってしまったのが彼らの凄みでした。

そんな"パルプンテ"はもう使えません。

それでいてマリノスの生命線である爆発的な得点力を維持しなければなりません。

ただし一つだけポジティブな点を挙げるとすると、エリキとジュニオール・サントスの呪縛から解き放たれることになります。彼らの良さを生かすために犠牲にしたこと、彼らがいたらできなかったことに挑戦することのできる状況にはなったわけです。

例えばエリキは爆発的な得点力でマリノスの前線を支えてくれましたが、エリキを使う場合は過剰なまでに縦に速いサッカーになってしまいます。要は、エリキに合わせたサッカーになってしまうのです。この点、エリキのいない今季は、また違うサッカーを体現することができます。

ことゴール数に関しては、彼らが奪ったゴール数をそのまま俗人的に置換するのではなく、また新しいやり方で担保することはできるはずです。例えば昨季比で+5点取る選手を5人用意すれば良いのです。

総じて、また新たな可能性が広がったとポジティブに捉えていけたら良いですね。


〜③サイド攻撃の成長〜

少し具体的な攻め方の話をします。

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2020シーズンの積み残し課題の一つですが、ニアゾーンを攻略することがなかなかできませんでした。

これにはいくつかの理由がありましたが、ウイングを務める選手の素質やポジショニングに課題がありました。

今季はこの課題に取り組む必要があります。

サイドに人数をかけたところからのニアゾーン攻略というマリノスの伝家の宝刀を復活させることができるかどうか。残念ながら独力で相手の守備を切り裂いてチャンスメイクをしてしまうマテウスも、圧倒的な決定力を誇るエリキもジュニオール・サントスもこのチームにはもういないのです。


〜④ライン間の空洞化〜

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これも昨季からの積み残し課題です。

ビルドアップの局面において、後ろに人数をかけるあまり前線に人数をかけることができず、ボールを前にうまく運べないという課題がありました。

このあたりの配置論について、詳しくは昨季のシーズンレビューにて詳細に記述しておりますので、お時間のある方はこちらも併せて参照していただければと。


〜まとめ〜

全ての条件に共通するのは、「昨季できたことは維持・継続し、昨季積み残した課題は改善する」という当たり前のサイクルです。

在籍年数も違えば考え方も違うチーム全体の課題感を共有して腹落ちさせることは実はすごく難しいことです。

しかし、ボスのブレないチームマネジメントがそれを可能にするはずです。
チーム全員を同じ方向に向かせるリーダーシップこそがボスの真骨頂。

よって、マリノスが王座奪還をする上での第一条件は「ボスがボスであり続けること」なのです。


【チームマネジメント、システムのおはなし】

では、ボスは今季どのようなチームマネジメントをするのでしょうか?

これについて、新体制発表会の囲み取材にてそのヒントとなるコメントを残しておりますので抜粋してみます。

「連戦が続いてタイトなスケジュールになった時、強度が高くてアグレッシブなサッカーをやるためには選手を入れ替えないと難しく、それが結果を出すために必要だと考えた。でも、それによって連係が取れない部分も正直あった。今年は連戦でも戦える選手を作り、メンバーを固定するわけではないが、ほぼ変えない形でやっていくほうがいいのではないかと考えている」

※サッカーダイジェストWEB「【横浜|新体制】2021年もアタッキングフットボールを継続。少数精鋭の競争を勝ち抜くのは誰だ!?」より抜粋

リンク:https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=85297


選手起用の考え方を示唆するようなコメントを残していますね。

「固定するわけではない」という前置きをしつつも、ある程度チーム内の序列を明確に分けると言っているようにも捉えられます。ちなみに昨季は毎試合5,6人、多い時にはスタメンほぼ全員を変えて試合に臨んだこともありました。

それに対して今季は比較的日程に余裕がある、という背景があります。


本件について考えるうえで必要なのが、これまでのボスの選手起用の傾向です。2020シーズンを特殊なシーズンと位置付けたうえで、2018・2019シーズンはどのようにチームマネジメントをしてきたのか。


結論から言うと、ボスは「良いときは変えない」監督です。2019シーズン終盤、連勝街道を突っ走る過程でスタメンを変えることはほぼありませんでした。

スタメンを変えたのは、ほぼ出場停止や負傷等のアクシデントがあった時だけ。あとはほとんど変えていません。
それに加えて勘違いしてはならないのは、結果がすべてではないということです。
ボスはプロセスを重視するので、勝っても内容が悪ければ変えることもあるでしょうし、負けても内容が良ければ変えないこともあるでしょう。


今季のマリノスの選手起用について考える際は、こうしたボスの目線に合わせた方がより現実に則した考え方ができるのではないかと思います。


まとめると、連勝している、ないしは良い流れで試合ができている時期は変えず、流れが悪くなった時に変える。変えるというのも守備的に振る舞うのではなく、スタメンを一部入れ替えたり、システムを変えるにしてもマイナーチェンジにとどめて、あくまでもアタッキングフットボールという大枠は変えません。これは絶対に変えません。

ちなみに昨季(2020シーズン)は、良い形で勝っても次の試合で選手を大幅に入れ替える必要がありました。そうでなければ22連戦という殺人的な日程を乗り切ることは不可能だったからです。結果はなかなか残せませんでしたが、選手が壊れないように、特殊なレギュレーションにしっかりと対応した点は評価に値すると私は思います。


さて、各所から入ってくる情報によると、今季の開幕は3バックでスタートするみたいですね。

システムもお決まりの3-4-2-1や3-1-4-2といったものとはかなり違っているようです。これを導入した背景と目的を私なりに解釈すると、以下のような感じになります。

まず背景は大きく分けて2つです。

①現状のスカッドバランスを見てCBで使える選手が多かったこと(岩田の獲得とかあったし)
②エリキ・JSが抜けたことによる得点パターンの再構築の必要性に迫られていたこと

その一方で、新システム導入の目的は3つあると考えています。

❶「動くこと」を前提に構築し、より流動性の高い配置を実現したかったこと(昨季からの継続)
❷失点数減少のためのDFラインの人的リソース確保によるカウンターリスク軽減(昨季からの変化)
❸選手の引き出しを増やすこと(新たな陣形にすることで選手個々の視野が広がり、新たな素質の開発ができる)


マリノスの特徴を継続、さらに進化させつつ、昨季までの課題に着手するという意味でこの新システムは一定の効果が見込まれます。

なので、しばらくは3バックでやるのだと思いますが、なかなかうまくいかなくなる時期は必ず来るでしょう。その時にボスがどのような処置を施すのか、ここが楽しみなポイントです。

4-2-1-3なのか3-4-3なのか、という無意味なシステム論のレベルではなく、攻め方・守り方のアプローチを微妙に変えてくるはずですからね。


【まとめ・考察】

私は、今季のテーマは「変化と継続のバランス」だと思っています。

要するに、今までやってきたことの継続を前提とした上で変化は必要で、しかしチーム内の共通認識が崩れるほどの変化はやってはいけないし、大枠は変えずに継続をさせなければならないのです。

この絶妙なバランスを保っていくのは非常に難しいですが、今年こそそうした困難に打ち勝って最後にみんなで笑いたいですね。


さて、今回のシーズンプレビューでは、いくつか問題提起をさせていただきました。

■問題提起
 ◇今季の目標はどこに設定するべきか?
 ◇編成について評価できる点と評価できない点は何か?
 ◇優勝・王座奪還のために必要な選手は?必要なことは?
 ◇余った外国籍枠はどのポジションに使うべきか?
 ◇エリキ・JSの抜けた穴としての26点分をどうやって埋めるか?
 ◇2020シーズンの積み残し課題は何か?
 ◇「選手を大きく変えない」というコメントに見る選手起用法についての意見


これらの問いについて、これを読んでいただいている皆さんの意見を募りたいと考えています。つきましては、このシーズンプレビューのツイートの引用リツイートを活用していただいて、皆さん思い思いの今シーズンのマリノスを語ってください。

皆さんの独創的な2021マリノス像を楽しみにしています。


【今季のアウトプットについて①「しゃべる」】

最後に個人的な話をさせてください。

それは、今季のアウトプットの方針についてです。


前提として昨年の活動を簡単におさらいすると、リーグ全34試合のマッチレビューに加えて音声媒体を使った"しゃべる"アウトプットも始めました。

PodCastとYouTubeです。

さらに音声SNSのClubhouseを加え、この"しゃべる"コンテンツは今シーズンも継続して取り組んでいく方針です。

~❶PodCast「UR FOOTBALL COLLEGE」(月1回更新)~


SpotifyもしくはApple PodCastにて無料でお聴きいただけます。

番組公式Twitterアカウントも開設してます。

このコンテンツは、同い年の文豪系マリサポ・ユウくん(@U__888)と2020年2月から始めたもの。始めてから早1年が経過しました。

コンセプトは、「大学のカフェテリアで学生が学問について語っている」設定でマリノスを中心としたサッカーの奥深さを語っています。内容は戦術方面の話だけでなく、サポーターとしての在り方、サッカー文化そのものについてと、多岐にわたります。

#8-2「敗戦の捉え方、サポーターのサッカー観」は個人的にマスターピースだったりします。笑

今年も月1回のペースで更新をしていく予定ですのでよろしくお願いします!!


~❷YouTube「隠れ家風個室居酒屋 トリコロール」(不定期更新)~

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のすけさん(@noske_yfm)とやっているYouTubeチャンネルです。

コンセプトはチャンネル名のとおりですが、「居酒屋トーク」です。

もともとは戦術ボードを使いながらzoomで試合の解説等をやっていましたが、ここにきて様相が変わってきました。

”ハマのハイパーメディアクリエイター”ことakiraさん(@akiras21_)が編集を担当してくださるようになり、動画のクオリティが劇的に上がりました。

選手名鑑クイズなど、笑いの要素をふんだんに詰め込んだトークの動画へと変貌を遂げつつあります。

シーズンが始まれば、このテイストを維持しつつ試合の解説なんかもできると面白いかなと思っています。

ちなみに居酒屋トークを標榜しながらも、過去収録において私がお酒を飲みながらやったことはただの一度もありません。オールシラフです。苦笑

今後もシラフでのすけさんのボケを拾うのに四苦八苦してやっていきます。



~❸Clubhouse「Footrico」(毎週月曜日22:00、毎週金曜日22:30)~

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音声SNS・Clubhouseにてやっている情報番組です。

MCのnariさん(@fmbh_nari)をはじめ、コメンテーターとしてakiraさん(@akiras21_)、ぱんださん(@tricopanda)、そして私ロッドがレギュラーでお届けしています。ちょこちょこ準レギュラーさんも出始めています。

内容としては、マリノス周りのニュース(公式からのリリース、各イベント情報、SNSで話題になっているトピックなど)について、ファン歴の長い方でも浅い方でもゆる〜く楽しめる番組にしています。

番組を進める上で、聞いてくださっている方との双方向のコミュニケーションを取れる機会もありまして、実際にクラブで仕事をされている方やスポンサーをしてくださっている方とお話しすることができているのが、私は非常に貴重な経験を日々させていただいていると思っています。

サポーターの視点、クラブの方の視点、スポンサーの方の視点はそれぞれ異なるので、自分の視野が広がっていることを実感しています。

今後も裏番組の「報道ステーション」に血で血を洗う闘争を仕掛け続けます!!

本稿執筆時点ではiOSユーザーのみ利用可能なアプリとなっていますが、今後androidユーザーの方々にも聴いていただきたい番組です。

感想等は #Footrico のハッシュタグをつけてつぶやいていただければ幸いです。


しゃべるアウトプットについてはこんなラインアップで今年は始めていきます。


【今季のアウトプットについて②「書く」】

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〜❶私、マンスリーレビュー始めます。〜

「書く」に関して、今季は昨季までの方針から変えます。

2019シーズン開幕からリーグ戦全試合のマッチレビューを書いてきましたが、今季は毎試合書くということはやめます。

理由は、私自身のワークライフバランスのことも含めていくつかあるのですが、その中でも書く粒度・視点を変えてみたいと考えたことが非常に大きいです。

今までは1試合ごとの"点"の視点で見てきましたが、今シーズンは数試合単位での進捗を測る"線"の視点で見て、感じたことを言語化する作業をしていきます。

よって、毎月更新のマンスリーレビュー(仮)に切り替えます。
毎月およそ5〜6試合が開催されますが、そのスパンで見えてくる成果や課題があるのだと昨季の戦いぶりを見ていて感じていました。その中で、マッチレビューではなかなか書けなかったことや見えなかったことが見えてくると思っていますので、こちらを楽しみにしていただければ幸いです。


しかし、完全にマッチレビューを書くのをやめるわけではありません。

私が「書きたい」と感じた試合についてはこれまで通り書き続けます。全試合決め打ちで書くことをやめるというだけです。

いずれにしても、今年も拙文にお付き合いいただければと思います。



というわけでございまして、今シーズンもロッドをよろしくお願いします。

目指せ王座奪還、さあ行こう。

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