映画の時間01

 映画は好きだ。好きなんかな。とにかく観るが、たくさん観てるかというと、そうでもないのかもしれない。同じ作品をかなり何度も観る。5分ずつとか。そう、俺は通しで観なくてもあまり気にならない。

 初めて知り合った人とも、その人が映画ファンでもそうでなくても映画の話を何かしらすることが多い。しかし、いきなりクエンティン・タランティーノの映画の話はしない。独特の台詞回しや無駄台詞みたいなのや、キャラクターそれぞれのクセのある美学なんかを説明するのはヤボだからだ。あとは、スターウォーズシリーズの話もしない。これは俺があまり好きじゃないからやろな。ただ、相手が好きな場合はがっつり話す。シリーズ全部観てなくても。面白みはわかるし、話すこと自体は好きだからだ。寅さんシリーズなんかは全作品観てないけど、しかも、もはや最近の子は観たことない人がほとんどだし、なんだか先入観でもあるのか、「マンネリ作品」みたいに思ってる人もいるのに、俺は話すのが好きだ。だって、銘作やから。あとは、金田一耕助の角川映画の古いやつ、石坂浩二の。あれはなんか話すのが好き。スリリングだし、おどろおどろしいし、美しく、なにより話が面白くわかりやすい。

 石井克人監督の2003年の作品「茶の味」なんて、はちゃめちゃな部分があり、その世界観を説明しようとしても伝わりづらいが、本筋のひとつである一家の長男ハジメ君の青春物語なんてすごくしっかり作ってある。転校生のアオイちゃん(土屋アンナ)との立ち位置や、父ノブオ(三浦友和)との関係なんかリアルでニヤニヤが止まらない。

 人に話すタイミングはあまりないが、「その時は彼によろしく(2007年 東宝映画)」は、東宝なので長澤・東宝シンデレラガール・まさみだ。原作の小説もそうだが、非常にピュアで人間の深みみたいのはあまり描かないが、美しい。ラストシーンなんて、「まさか、アンタ、そんな出来過ぎなこと起こらんよね。」なんてことが起こるんだが、素直に嬉しくなる。

 こうやって、noteでも映画の話をしちゃうわけ。

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