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あまり有名でない冬の名曲

この季節になると、ユーミン、山下達郎、マライア・キャリーなどのクリスマスソングが一般的によく聴かれます。

しかし、音楽ファンの中には、おそらくそれぞれが心の中で「自分だけがそっと愛でるウィンター・ソング」として特別な一曲を持っているのではないかと、勝手に想像していますが、いかがでしょうか?

私の場合、かなり捻くれているのですが、この曲です。

●「絶交」堀込高樹

キリンジ(カタカナ表記で兄弟デュオの時代)の兄・堀込高樹が2005年に発表したソロ・アルバムの冒頭を飾る曲です。

ハッピーな年末年始気分に冷や水をぶっかけるような「絶交」というタイトルが、まず何よりも素晴らしいです。

歌詞の内容はとても物語性があり、静かな海沿いの田舎町から全ての人間関係を経ってどこか別の街へ飛び出していく人間の心情が描かれています。
歌詞だけ読むと、「人間関係リセット症候群」的な、かなり身勝手な奴の話ですが、でも薄曇りの冬の風景を眺めながらこの曲を聞くと、すっと気持ちの内側に滑り込んでくる、不思議と魅力的な曲です。

この曲が収められたアルバム『Home Ground』は、全体に冬の雰囲気で統一されていて、堀込高樹独特のアイロニーとセンスが散りばめられていて、隠れた名盤だと思います。

たまにはいつもと違った年末年始のBGMを、と思っている方にはおすすめの一枚です。

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