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ゴジラ-1.0を息子(7)と見てきた。

わたしはゴジラ映画はシンゴジラと今回のマイナス1しか見ていないので、細かい設定とか、それまでのゴジラ映画の歴史を知らない。
まあ亡き父はとっても好きだったみたいだったが。
あくまでにわかファン、ただのそこらにいる軽い映画好きとして感想を言いたいのだけど。


以下、ネタバレします。





個人的にね、今回の映画で、一番胸熱だったのは、一番シキシマを憎んでいるはずのタチバナが、シキシマが乗る戦闘機に、脱出装置をつけることで、お前は生きろ、というメッセージを言葉だけではなく行動で伝えたからこそシキシマが救われて2人の戦争が終わった、というところ。

特攻隊の戦闘機に予算の関係で脱出装置さえついていなかった、というようなセリフがあったと思うんだけど、それがあれば特攻できたかどうかはまた別の話で、特攻できなかった人を主人公にするということは、わたしは、ある意味反戦映画でもあるんだな、と解釈して、共感ができた。
戦闘機やそういう戦うでっかい船が好きな人でも戦争反対してもいいもんね。
まあわたしの解釈だけど。

生産性がない自分を、生きていていいのだろうか、と、戦争を生きていないわたしでも、思ったことがある。
体調を崩して長期間働けずに長期仕事を休んでいたときに、そう思っていた。
みんな働いているのに、いいのだろうか、要らないのではないか、と。
長い人生なのでまあこんなこともあっていいと今は思うのだが。

誤解を恐れずに言うと、どうやったら人に迷惑がかからずに楽に死ねるのか、を始めて考えた日々でもあった。
ただわたしは、母のことを思うと、やっぱ実際にはできないな、とすぐに思考を引き返したタイプだった。
こんなことを考える時間が、明るいはずのわたしの人生にあるなんて思ってなかったから、驚きだった。

正直戦争というものには冷めた目でみてしまう世代だから、気持ちまではほんとうにはわからないが、特攻できなかった人を映画越しだけど見てみて、生きてていいでしょ、死んじゃだめだよ、と普通に思うので、働けないくらいでそう思う自分はほんとうになんだったんだろうな、と少し考えた。

何もできなくて、ただの弱虫でも、生き残ってるんだから生きていればいい、という考えや価値観ではなく、そういう感覚を持っている人は、どれくらいいるんだろう。

働けなくなって、人に助けてもらって、人に甘えてばかりでも、振り切りすぎて威張り散らすのでは決してなく、ただただ、自分は死ななければならないという思考だけは自然と避けられる人はどれくらいいるんだろう。

今はもう特攻もなければ日本に戦争もないけれど、だけれども、生産性や役に立つかどうかや、成長主義、なんだかこう、最低限これだけは、みたいなの、そういうのすらできない人ももちろんいると思うんだけど、そういう人たちが生きていたいと思っててくれたらいいなぁと、考えたり。

シキシマが死を選ぶのか、選ばないのか、でこの映画の哲学的なところが大きく変わってしまうので、最後まで気になるところでした。

シキシマに生きろと言ってる人はたくさんいたけど、シキシマからしたらタチバナしかいなかった。
仲間の特攻隊はみんな死んじゃってるってことだろうし。

個人的に、そこが気になりすぎて、浜辺美波のことがあまり頭にはいってこなかったけど、なんで生きていたかのみんなの考察をみて、あああ自分はゴジラにかんしては本当ににわかさんだなぁ〜....と思いました。


シンゴジラを好きな理由は、ゴジラがめちゃくちゃ強くてかっこいいから、だったんだけど、残念ながらシンゴジラはテレビでみたので、シンゴジラの強さはテレビ画面でしか味わってなかったんだよな。
だから今回はゴジラをでかいスクリーンでどうしても見たくて行ってきたんですが、もう空いた口が塞がらないくらいにゴジラは強くて、ぽかーんでゴジラを見てました。
こんなにも大きな驚きを与えてくれたことに感謝!って言うとまとまっちゃうけど、ほんとうに最高の時間でした。

ホラーだろうと裏切りだろうとなんだろうと、空いた口が塞がらない映画を見たくて生きている部分もあるので、それを映画館で見れてほんとうに行ってよかった。

映画って、家で見るとストーリー、なんだけど、映画館で見ると体験とまではいかなくても、ほぼ体験に近いものを味わえるから、映画ってやっぱりいいなぁと思いながら今回も家路についたのでありました。


生きろ、というテーマは何番煎じかわからないくらい王道かもしれないけど、どんな時代でも、きっとそれが伝わるべき人に伝わるタイミングで伝わるのを何度も繰り返すため、だろうから、何回煎じても、何度でも、やってほしいなぁとそんな真面目なことを思ったりしました。

なんだろう、特攻でも戦争でもなかったけど、生産性のなさで自分をひどく責めたことがあったので、わたしにはよかったのかもしれない。

今はもう、そんな思考が自然と浮かばない感覚で生きられて幸せだなと思うラインにいるけど、でもマイナス1を見られてよかった。


こんなにたくさん生きろについて語ったけれど、ゴジラの圧倒的な強さの方が絵面的には印象深さno.1でした。

いろいろとツッコミどころもあったし、あれ??とも思ったけど、映画のこのツッコミどころが気になる病ね、これはもう本当に、単純にそれ以上に楽しめたら気にならないし、それが気になりすぎたら楽しめないっていうそれだけの差なので、仕方がないと思う。
マイナス1については、気にならずに楽しめてわたしのその日のコンディションがそもそもよかったんかな、ってことにしとこうかな。


なんなんだろうねあの、気になる時はめっちゃ気になって、気にならない時は気にならないの、なんか恋愛のタイミングくらい難しくて狙えないよね。
気にならない日にばかり映画見ていたいよ。


と、ここまで、書いてふと思ったんだが、その過去の自分が改めて救われたというか、いつ成仏したかわからなかったので、このマイナス1でしっかり天に召されて、それが心地よかったのかもしれない、と思いました。
特攻はわからないけど、罪悪感で死にかけていたあの日の自分がいないことを再確認できた、みたいな。


強くてデカくて孤高で特級な化け物を心から愛する息子に、最新技術のゴジラを見てもらえてよかった。

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