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【フローリアン・シュナイダー追悼企画】 コロナ危機の今の気分で選んだ傑作エレクトロアルバム10枚

どうも信治です。クラフトワークの創立メンバーのひとりであるフローリアン・シュナイダーが4月30日に癌のため73歳でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。

コロナウイルスによって、近未来SFのような風景にいっそう近づいている世界において、近未来的音楽であるテクノの創始者のひとりが亡くなったってことが、すごく象徴的な出来事に感じました。彼とラルフ・ヒュッターが作り出したクラフトワークの音楽は、ベルリン時代のデヴィッド・ボウイやジョイ・ディビジョン、デペッシュモードやペットショップボーイズなどなど、、あげたらきりがないくらいのアーティストに影響を与えてますね。そしてヒップホップやハウスなど現在の音楽にかかせない音楽ジャンルの誕生のひきがねにもなり、現在の主流であるコンピュータでの音楽制作のいしずえとなっています。たぶんプレスリーやビートルズ、ボブディランよりも現代音楽においては重要なグループと言っても過言ではないと思います。また音楽だけでなくビジュアルも含めてコンセプトを打ち出していたり、あらゆる面で現代のエンターテイメントに通じる指針をつくったグループです。

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現在もラルフ・ヒュッターを中心に活動しているクラフトワークですが、そんな彼らの音楽に影響を受けたテクノ...というかエレクトリックミュージック全般で、私の好きなアルバムを10枚ピックアップしてみました。今のコロナ危機の陰鬱なモードをふまえて選びましたので、クールで暗ーいものが多いセレクトになってます。

Depeche Mode 『Black Celebration』

まず1枚目はデペッシュモードの『Black Celebration』です。現在の先の見えないもやのかかった世界的状況がデペッシュモードの音楽性にすごくリンクしてる感じがしますが、まだ今はコロナの影響も序章段階だろうってこともあり、そこまで絶望的でない、いい塩梅の暗さ加減ってことでこのアルバムを選びました。ゴシック色が強いせいか、リズムが抑制されていて、マーティンゴアが歌う曲が多いってこともあり、わりと歌物が多いアルバムなので、聴きやすいといえば聴きやすいアルバムですし、ある意味デペッシュモード入門編としても最適かと思います。東西冷戦最中の1985年にベルリンのハンザ・スタジオで録音されたってこともあり、ひしひしと漂う緊迫感がバンドの音楽にいい影響を及ぼしてる感じがします。

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Underworld 『Dubnobasswithmyheadman』

クラフトワーク同様、音楽とビジュアルイメージが一体化しているという点で、あげておきます。アートワークを担当しているTomatoは、デザインの仕事をしている私にとってアンダーワールド以上に重要な存在で、かなりの影響を受けております。タイポグラフィーのみでデザインを帰結させ、かつ説得力あるビジュアルに仕上げているところは、デザイン史においても革命的だと思います。アンダーワールドは成功していくにつれてどんどん音楽的に明るくなっていきましたが、このアルバムはイギリス...というかロンドンの風景をすごく想起させる音楽ですし、陰鬱で先行き不透明なこの時代にきくと、ますます不安になるという意味でマッチしてる感じがします。

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Ken Ishii  『Jelly Tones

AKIRAの映画版にも参加した森本晃司さんが手がけた一曲目の「EXTRA」は、ミュージックビデオの範疇を完全に超えたジャパニメーションの傑作です。「EXTRA」もそうですし、アルバム全般にも言えることですが、オリエンタル要素を含みながら、一級のダンスミュージックとしても成立しているところに、当時感動したのを覚えています。世界的DJとしての先駆けで、ダンスミュージックなのでもちろん同時代性ってのは最重要ファクターですが、そこに確固たるオリジナリティである日本の土着性を世界に発信するという使命をすごく感じられたアルバムです。

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μ-Ziq 『Bluff Limbo』

エイフェックス・ツインと並んで人を不安にさせる音楽を作りつづけてる人がμ-Ziqことマイク・パラディナスです。初期の作品はエレクトロニカの黎明期ってこともあり、とにかく暴力的で音数が多いのですが、なぜかアンビエント要素もあるという不思議な音楽です。そして実験的...というか一人セッションで音を入れまくってる曲が大半ですが、稀に機をてらったキャッチーな曲があったりと、もう掴み所のないアルバムです。最近のアルバムは割と落ち着いた感がありますが、でもやはり時に暴れまくる曲も登場しますし、このマイク・パラディナスっていう人は一生落ち着かない人なんだろうな...というのが感じとれます。

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Aphex Twin 『Come to Daddy』

これはEPですが8曲も入ってるってことで選びました。1999年の『Windowlicker』も悪夢的...というか頭おかしいんじゃないの?って意味ではハマりますが、現在の雰囲気は『Come to Daddy』の方でしょうか。まさに悪夢のビデオですが、妙に笑えるところもあり、完全な絶望っていう感じではないんですよね。全曲聴くと悪夢というより迷路的...というか迷宮って感じのアルバムで、まさに出口の見えない今の状況で聴くと、鬱になりそうな作品です。。。

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あとの5枚は、コチラのYouTube動画で是非聴いてください。

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またnoteの方では、鑑賞した映画で動画にあげなかった作品の感想や、音楽ではマイナーなアーティストの新作レビューなど、YouTubeとはひと味違う展開をしていきますので、こちらもチェックしてみてください。よろしくお願いします。

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