見出し画像

CoSMo+式霊的実体分類法による心霊の分類化のススメ


轆轤です。
この記事は心霊探索フィールドワーク(所謂「肝試し」)や心霊体験談を執筆する上で、霊的実体(以後「幽霊」と表記)をSCP財団の霊的業務部門の分類基準を実用的に改良したCoSMo+式霊的実体分類法の使用を提言させていただくものです。
まずこれを使用するメリットをご説明します。


1,「恐怖」による幽霊の危険性評価の指針のブレを無くすことができる

「洒落怖」を始めとする怪談では殆どの場合書き手によって幽霊の危険性を恐怖心と描写によって過剰に評価してしまわれており(故意的な場合もありますが)、
幽霊についての調査に著しく支障をきたしてしまいます。
そのため客観的事実のみを指標とすることで信頼性の高い危険性評価が可能となります。

2,調査において対象の比較評価が容易になる

心霊探索において幽霊という存在が不確定かつ非定形なものに対して語る際、絶対的指標を使用することで
「大きかった!」「白い服の女だった!」というように外見に気を取られそれ以外の情報が不安定になり、伝言ゲームのように対象の評価がすり替わっていってしまうのを防止することが期待できます。

具体的にどのようなものか

以下の評価指針に対象を照らし合わせ、採点したものを「1/2/2/1/1」のように表記、副次的に対象の幽霊としてのタイプを記載します


・ 有形性

有形性は、霊的実体が物理的な世界にどれだけ容易に、そしてどの程度まで影響を及ぼすことができるかを表します。
所謂「見えない人」によりどの程度の観測が可能かを評価します。

・クラスI
対象は「ラップ音」や「不明瞭な囁き」といった「声」以外の物理的表現を持たず、物理的な領域と相互作用することができない。
例:「うわあ爺」(https://youtu.be/zAv7b0MRnNU?si=QNNljLx63S6Hee0v)

・クラスII
対象は狭い範囲で周辺にある物体の動きを極めて限定的に操作可能(一般的にポルターガイストと呼ばれる程度に)である。
例:「ポルターガイストくん」(https://www.youtube.com/watch?v=264KKScytMM)

・クラスIII
対象は半透明で非実存的な顕現ができる。
クラスI、II程度の物理干渉能力も同時に保持している場合もある。

・クラスIV
対象ははっきりとした、しばしば「生者」に見間違う程度の不透明かつ物理的な顕現ができる。クラスI、II以上の「物を掴む」「物を踏んで壊す」程度の物理干渉能力を保持している場合がある。
例:「八尺様」、「アクロバティックサラサラ」

・ 攻撃性

攻撃性は、対象がどの程度人間に対して「憑依」等を含む「攻撃」を行うかを評価します。なお、敵意や悪意を示さなくとも「攻撃的」であれば相応しいクラスに分類可能です。

・クラスI
対象は攻撃性、敵意を持たないか人間に無関心である。ただし他の霊的実体に対する攻撃行動は評価されない。

・クラスII
対象はしばしば頭痛、倦怠感、寒気等の形で人間に不快感ないし嫌悪感を与えるか、「出ていけ」などの排除的意思、あるいは暴言などで敵対意思をテレパシーや「発声」などで伝える。

・クラスIII
対象は人間に精神的・身体的苦痛を伴うなんらかの「攻撃」及び軽度な「憑依」などを行う場合がある。

・クラスIV
対象は人間に精神的・身体的に著しい損害を与える「攻撃」及び積極的「憑依」を行う場合がある。これらはしばしば致命的、あるいは恒久的に精神を損耗させる可能性がある。
例:「くねくね」「ヤマノケ」「邪視」

・ 知性

知性は、知能と周囲の環境に対する理解力を測るものです。また、実体の有するテレパシーや精神感応に関する評価も含まれます。

・クラスI
対象は知性と感覚を有さず、刺激応答的あるいは定期的にのみ能力を発現させる。意思疎通は不可能である。
例:「うわあ爺」

・クラスII
対象は感覚を有するが知性は有さず、しばしばその能力の制御が制限される。単語やフレーズを繰り返すことはあるが、言語を理解することはなく、意思疎通は非常に限定的である。

・クラスIII
対象は知性を持つ場合があるが、平均的な人間より知能が低い。実体は主に本能に基づいて行動し、少なくとも言語に対する基本的な理解を持つ。

・クラスIV
対象は人間と同等の知性を持つ。少なくとも1つの言語を流暢に話し、理解するかテレパシーによる意思疎通能力を持つ、あるいは目的を達成するために戦略を用いる。

・ 移動性

移動性は、霊的実体が自由に移動可能である場合の、その移動距離と速度を表します。

・クラスI
対象は非常に狭い範囲の場所、ないし物体に固定されており、追跡を含む移動を行わない。

・クラスII
対象は移動可能であるが、一定の範囲に固定しており、方向や速度は殆ど制御できない。ゆっくりと動くことが多い。

・クラスIII
対象はその運動を完全に制御できる。通常、秒速2m程度で移動するが、それよりも速い速度(平均的な人間の全力疾走程度)で移動することもある。

・クラスIV
対象は素早く、高度に制御された運動を行う。瞬間移動能力を持つこともある。

・ 易祓性

易祓性は「憑依」を行われた場合、「お祓い」や「エクソシズム」により「憑依」状態を解除する難易度を評価します。

・クラスI
対象は「憑依」行動を取らない。

・クラスII
対象は葬式の際の「清め塩」や読経、祓詞、聖書の読み上げなどにより被憑依者単独で祓除できる。

・クラスIII
対象は所謂「見える人」のような霊的実体に作用できるとされる人物によるなんらかの対処で祓除できる。

・クラスIV
対象は仏僧、神職、神父、「祈祷師」など「専門家」による処置により祓除できる。

・クラスV
対象は祓除できない。

副次クラス

副次クラスは、対象の外見、特徴に基づき既存の概念に大まかな分類するものです。いずれにも当てはまらない場合、暫定処置として解説と共に新しいクラスを各自設定することができます。

・ 「Null」

実体を持たない対象に対する包括的なクラスです。

・ 「Wraith」

所謂多くの人間が想像するであろう「半透明な幽霊」を分離するクラスです。

・ 「Humanoid」

おおむね人型かつ不透明な対象を分類するクラスです。

・ 「Inugami」

所謂動物霊等の非人間的対象を分類するクラスです。

・ 「Mary」

「メリーさん」のように実体を持たずカメラ、電話及びテレビなどでのみ確認できる対象を暫定的に分類するクラスです。特性上CoSMo+による分類が難しい為、注釈をつけることが望ましいです。

・ 「abnormality」

人型、及び動物型でありつつ通常ではあり得ない異形であるものを分類するクラスです。

・ 「Kami」

視認・知覚により異常な精神感覚を及ぼす概ね不定形の対象を分類するクラスです。
これまで二人以上の同時観測による信頼できる事例は1例のみ確認されています。


利用の仕方

例えば馴染み深い例、「八尺様」を挙げると
IV/IV/III/III/V-abnormality
あるいは
4/4/3/3/5-abnormality
となります。
なお、遭遇時に易祓性を除いたいずれかのクラスが一つでもIIIを超える(と思われる)場合が即座に退避をする判断の指標となります。
クラスIVの特徴を確認した場合、直ちに命を守る行動と迅速な退避が推奨されます。



拝読ありがとうございます。この指標の利用、遭遇場所と共に危険性の周知をしていただけると幸いです。
良き肝試しライフを!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?