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op.4「トムは真夜中の庭で」

児童文学として有名な作品ですが、久々に読むと、子供の頃とはまただいぶ違って読めました。いろいろな細かいことに気付かされます。やっぱり面白い。

何よりもこれはものすごく古い時間SFなんだって気づいて興奮しました。子供の頃はその辺が曖昧なまま不思議な話、くらいで読んでいたのです。しかも読む人の時間すらコントロールされている気がして。最近のエンタメ小説はとにかく情報も多いし、飽きさせないためスピーディーな展開が多いのですが、この物語はとにかくゆったりとした時間が流れていて。ラストの展開はそれゆえに加速してドキドキするのですが。

さて、この傑作をわずか20分のステージにいかにエッセンスを盛り込むのか。まあいつもながら無理前提でのセトリ作り。まず会場のストロボカフェは映像が使えたので、物語の舞台となった街や庭の写真、それからメンバーの赤い衣装や会場の雰囲気に合わせたお花(英国の庭といったら美しいガーデニング)の写真を散りばめ、ライティングは赤の衣装が映えるようにお願いしました。時の流れがわかるように、朝、昼、夕方、夜という細かい時間の流れも組み込みました。

個人的には4回目にして、ようやくコンパクトながら濃いめの空間が作れたような気がしました。

この日は秋谷がめちゃくちゃ調子悪く、おまけに新曲披露ということもあり、ドキドキしながら見ていましたが、本番は無事乗り越えてくれました。萌花には、いつもより大きめにフリをやってもらって、映像と合わせて会場を飲み込むような雰囲気づくりをお願いしました。

二人ともこちらの意図を理解するのが早く、またそれを表現する力もあるので、これからはもっといろんなことができるのではないかと楽しみにしています。

次回は2月27日。六本木Varit。テーマは「不思議の国のアリス」です。

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