見出し画像

現状、不可欠な音楽体験をした話

Nothing's Carved In stone "Wonderer Tour"
2021.6.23(水)EX THEATER ROPPONGI

本来ならば、今ツアー千秋楽。
情勢を顧みての大阪公演延期のためまだ今ツアーはゴールテープを切っていない。 
だが、これから記す公演は同時生配信も行われ、ある区切りのような公演である。

私が今回、ナッシングスのワンマンに行きたいと思ったきっかけは今年5月に行われたビバラロックであった。
たまアリのステージで目の当たりにしたNothing's Carved In Stone というバンドに引き込まれ、またあの景色を観たい、生音を聴きに行きたいという気持ちからチケットを取った。

直に伝わってくる生音はこれぞロックバンドと表現しても良いのかもしれないと思わせてくれる迫力である。 
演奏力が圧倒的に高いメンバー揃いなのでビシビシと強い音が耳に届く。
それぞれの音が力強いのに、その音たちが共存するように光輝いている。
そこにしっかりとパズルのピースのようにハマるボーカル。
個の力が結集してこの4人だから出せる音で何にも縛られず自分たちの信じるロックを鳴らしている。

音源でもしっかりと音圧のようなものは伝わるものかもしれないが、直接それを受け取ることで感じる力強い音の衝撃は凄まじい。

そして私はフロントマンである村松拓のMCでその通りだし、それを本人から聞けて嬉しかったなと思ったことがある。

未曾有の状況下において、それぞれがそれぞれのフィールドで戦っている。
それを乗り越えるために音楽はあるのかもしれない。
そういう時に、ナッシングスの音楽を使ってくれたらすごく嬉しい。
というような話。 

何かに対して努力しないといけない時、壁にぶつかった時など様々な場面で音楽というツールはいつもスピーカー越しに、イヤホン越しに流れている。
そういう時に音楽を聴くのは無意識な所もあると思うが、拓さん本人からそれが”嬉しい”という言葉を聞けて、改めて音楽はいつもそばにあって、一歩先に進むために何度も何度も使っているよなと実感した。

ご時世柄、本人も言っていたような気もするがどうしても昨今の未曾有の事態の話題が多く出てくるものである。 
だけれども、そこにはありきたりな言葉ではなくて、率直な感情が含まれているような気がした。
ラストスパートに入る前に一言、
「くよくよすんなよ」
何故なのかまではわからないけれど前述したようにどこか率直な想いが含まれた話からの締めのこの一言がすごく響いた。

終始会場に集まったファンへの感謝の気持ちが前面に出ていたナッシングス。
会場に足を運んだファンもその想いに応えるように体を揺らしたり、サビでは全力で手を挙げたり、曲終わりには声援の代わりに拍手を。
アーティストもファンもこの場に居られることを嬉しく思う気持ちでいっぱいであった。 

そして印象的だったことはMCに入るタイミングでの割れんばかりの拍手。
その拍手に応えるように拓さんが言葉を発すると一段と大きくなる拍手。
曲を通しても喜びに溢れているのが十分伝わるのに、MCのタイミングでの盛大な拍手で更にそんな感情に拍車がかかるのが本当に素敵な光景だった。

”曲を作ることと、ライブはライフワークだから。”
確かに職業上その言葉の通りで誰もが思っていることであると思うが、胸を張って言い張る所が、この日のライブを通して感じた想いと重なって本当に音楽面のみならず、立つ姿勢にも賭ける気持ちが現れていて当たり前の言葉のようですごく刺さった。

振り返ってみて思ったことは、直で届く生音と、拓さんの飾らない言葉に原動力を与えてもらったなということ。 
くよくよしないで音楽と一緒に戦うし頑張ろうという心持ちを授けてくれた。

次は日比谷に物件を借りるらしい。


彼らが日比谷に借りた物件にお邪魔した話もぜひ。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?