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David Bowie #2: Mick Ronson

David Bowie - Scary Monsters (1980)

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 クイーンとボウイがコラボで制作したスマッシュヒットソング「Under Pressure」は有名で、フレディ・マーキュリーが存命中はクイーンのライブで歌われていたが、没後はボウイがライブで取り上げている。これによってこの曲の可能性が広がり認知度も高まっている。その「Under Pressure」はクイーンがスタジオに入っている時に同じスタジオを利用していたボウイが隣にいたので実現したコラボとの事。ボウイが録音していたのは多分映画のサントラだと思うが、偶然にしても凄い作品を作った。ものの半日で二曲出来たらしい。

 そのちょっと前にボウイがリリースした名盤がこの「スケアリー・モンスターズ」。ボウイカタログの中で最も中途半端な位置に属する作品で1980年リリース。それにしても割と疾走感のある、そして多彩なゲスト陣を迎えてもっと話題になってもおかしくない作品だが、割と名前が出てこない。あのロバート・フリップがほぼ全編に渡ってエキセントリックなギターを弾いてくれているのと、「Because You're Young」では何とピート・タウンジェンドがギターを弾いている。あまりそれらしい弾き方ではないので見過ごされがちだけど、この頃のザ・フーはケニー・ジョーンズを迎えた後のちょっとモダンな曲が多い時期なのでおかしくない。フリップ卿はヘンなことしてるのもあるけど、やはりエグいギターが入ってくると一発で分かる。そのせいか結構シャープでエッジの立った作品だけど、そこがボウイのマイルドさか、歌によってなのか他の音色によってなのか、上手く包み込んで聴きやすい作品に仕立てている。ボウイの歌声とメロディが大きいかな。

 さて、もうひとつふたつ…。まずは冒頭を聴いて日本語のナレーションに驚く。この辺の使い方もクイーンと似たところ。ここでのナレーションをボウイは自分で話すには日本語は難し過ぎたらしいのでヒロタ・ミチさんが話しているが、この日本語もヘン。それと、やはり目玉と言うか楽曲の良さとプロモの新鮮さと衝撃的な意味で「Ashes To Ashes」だ。「Space Oddity」で登場したトム少佐がただのジャンキーだった、と言う決別。ストーリーテラーです、ほんとに。それとフリップ卿のギターの凄さと妙なポップさ加減の名曲「Teenage Wildlife」も聴き応えたっぷりで、全然名作の域に入ってくるアルバム。この後の「レッツ・ダンス」とは比較にならないけど、前の「ロジャー」に比べりゃ全然傑作で、80年代に入った音作りをきちんとしていたのもボウイらしい。

 この頃は「クリスタル・ジャパン」によるCM曲も有名だし割と活躍してる。もちろん現役の人だから当たり前だけど。自分のCDは90年にリリースされたボーナストラック付きのだから色々な曲が入ってて久々に楽しんだけど、今はもうアチコチに収録されているだろう。「Space Oddity」の1979年録音バージョンとか。面白いと言うか音と楽曲アレンジのチープさはちょっと引っ掛かるかも…。

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