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00s U.K. Progressive Rock #1 【A-L】

Autumn Chorus - Village to the Vale (2012)

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 英国のAutumn Chorusの2012年作「Village to the Vale」。ジャケットから田園風景的な印象で、そういう音楽だろうと思いながら聴くと随分とファンタジックでメロウなネオプログレ色強いアルバムだった。その手の期待のホープと祭り上げられていて、良いものに出会えたと楽しみながら聴いている。叙情的でメルヘンチックで破壊的な要素もありつつ、バイオリンやフルート、オルガンやピアノと多彩な楽器が次々と登場して、優雅な品格を保ちながら相当の音楽的才能の持ち主であろうロビー・ウィルソンによる唯我独尊のバンドで素晴らしき叙情性。

 ジャケットの要素から70年代の伝説のバンド、Fantasyを思い起こし、所々の破壊的な要素はクリムゾンを彷彿とさせ、優美な感性は近年のネオプログレ勢のムードを醸し出し、ささやき声に近い切なさたっぷりのボーカルスタイルが叙情を誘い、バンド名の通りに哀愁を帯びたコーラスワークが輪を掛けて壮大な音世界を広げてくれる。こんな形で発掘した割に相当の名盤は間違いなく相当のハイクォリティ。

David Minasian - Random Acts of Beauty (2010)

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 マルチプレイヤーのミュージシャン、David Minasianの2010年の作品「Random Acts of Beauty」です。ジャケット見る限りは路線違うと思うけど中味はCamel風味な音世界。それもほとんど一人で演奏して歌っている神業。出てくる音はMike Oldfield的にクールな世界で、淡々と繰り広げ、ホールズワース好きな人向け。完成度は高く完璧。音楽の傾向もハードからプログレッシブ、ドラマティックな展開、歌モノとバリエーションに富んでいる。ギルモア版ピンク・フロイドのような世界。

 こういうのが構落ち着いて自分の耳に入ってきて安心感漂う音世界だった。だから冷たい音ではなくクールな世界を紡ぎ出している感じ。最後には涙出そうになるし。そういえば本家Camelのアンディ・ラティマーもギターと歌で参加しているので今の病状からは貴重なセッション。

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