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70s British Rock 【F・G】

Fire - The Magic Shoemaker (1970)

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 アルバムジャケットが秀逸な作品もたくさんあり、また中身もそれに合わせて素晴らしいものは非常に好評を博す事が多く、30年以上経過した今に於いても概ね評価されるアルバムの方が多い。もっとも中身が素晴らしければ圧倒的に評価されるが。他人の評価の集まりが一般的な評価なので自分で判断すれば良いだけだとは思う。

 1970年リリースの渾身のコンセプトアルバムのつもりでファイアと呼ばれるバンドが解き放った作品「The Magic Shoemaker」。ジャケット良いでしょ?どこか中世的なものを思わせると言うか、そのままだけど。昔、レコード屋に行くとたまに飾ってあって、それがまた絶対に買えない値段が付いてた正に高嶺の花。ジャケット良いから中身はダメに違いない、と自分に言い聞かせて見るだけ見て帰った事があった。90年代になった頃にSee For MilesからCDが出て速攻で買った。中身聴いて無理矢理納得してた。それをまた久々に引っ張り出してきたけど、これまた極上のポップスで英国らしく美しいアコースティックな感じとカラフルな印象で、遅れてきたサージェントペパーズな感じもある。3曲目の「Magic Shoes」は「Ziggy Stardust」前夜のボウイと実にメロディが似てて、センスが同じだったのかボウイがパクったのか。そんな雰囲気も楽しめる一枚。

 メンバーはどうやら三人組で、そのうちのリーダーがデイヴ・ランバートでこの後ストローブスに入って名を上げるけど、このアルバム「The Magic Shoemaker」は彼の渾身の作品でもあった。どうやら靴屋さんの物語を展開しているみたいで、自らそのナレーションをしている凝りよう。そして多分物語に即した曲が展開されているので、喜怒哀楽は表れている。物語の前説があって、魔法の靴があってそれなりに話が展開されて靴屋さんが幸せになるみたいな話か。最後がもの凄く幸せそうな曲だ。こういう夢見る展開は好き。

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