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Sandy Denny / Fotheringay

Fotheringay - Fotheringay (1970)

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 英国フォーク界には美しい声の持ち主が多数いて、女性ボーカルの美しさを持つ人も多数いる。ペンタングルのジャッキー・マクシーよりも更に美しくそして心の籠もった、人の心を揺さぶる歌声でリスナーをノックアウトするのが英国フォーク界の至宝サンディ・デニー。普通はフェアポート・コンベンションから書かれるけど、流れでサンディ・デニーがフェアポート脱退後に夫のトレヴァー・ルーカスと共に結成したバンド、フォザリンゲイ。

 フォザリンゲイは1970年にアルバム一枚しかリリースされなくて知名度もないグループに終わった。ここで聴けるサンデイの歌声は正に絶頂期で艶めいている。恋の要因が大きかもしれないが、それも芸の肥やし。英国伝統音楽をベースにエレクトリックも使いつつ、サンディの歌とトレヴァーの歌が入り交じっている夫婦バンドで、単純に英国フォークバンドとしても男女の歌声のバランスも丁度良く心地良い。トレーダー・ホーンをもう少し派手にしたような感じだろうか。そんな素敵なアルバムも紙ジャケ化されていた。しかも今入手できるCDではボーナストラックにライブバージョンがいくつも収録されているのでお買い得。

 その後の1971年にサンディ待望のファーストソロアルバム「North Star Grassman and the Ravens 」がリリースされる。参加しているメンツもリチャード・トンプソンと元フォザリンゲイ状態なのでほぼフェアポート勢の再結成。内容もフェアポート時代に聴き慣れたサンディの歌い回しが聴ける。音が派手になった感じはあるものの、最高の時期の作品なので聴くとハマる。ここでもまた「Black Waterside」を聴ける楽しさ。ここまでアチコチで聴けるとジミー・ペイジのパクりは時代的には早かったものの響く人達には響くフォークの代表作。サンディ・デニーもツェッペリンの歴史の中で唯一アルバムに参加したゲストだし。

 そのサンディは1978年にあっけなく亡くなってしまったのが残念。ラストライブと語られる「Gold Dust: Live At The Royalty Theater」が記念碑的にリリースされている。こちらは1977年11月27日に相変わらずの面々を従えてのライブを収録している。フォザリンゲイの曲も歌われているし、何よりも「Who Knows Where the Time Goes?」が最後に歌われているのが哀しい。

 フォークには女性ボーカルが似合う。そしてサンディ・デニーの歌声は綺麗で美しいだけでなく、独特の歌い回しと味のある艶めいた歌声が良い。改めて聴くと、紅茶を飲みながらしっとりと寒い部屋で静かに聴くのが似合ってる声質。

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