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Bob Dylan

Bob Dylan - Bob Dylan (1962)

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 2004年頃にMovable Typeが普及してウェブログサービスが容易くなり、ブログの名で親しまれるようになって何事にも黎明期にはありがちの無料サービスが横行したが、その甲斐あって瞬く間に親しまれ誰でも簡単に広まった。数多く溜まりつつあったアルバムコレクションや過去に聴いていたアルバムの忘備録も含めて1日1枚レベルなら当分ネタに困らない、良い媒体になると思って始めたが、最初は適度にメモレベルから始めていつしか感想文になり、簡素化されて進んでいった。そこにリアルタイムのネタも新しいジャンルも入り込んで15年になる。15年、ヒマな事が続いている。改めて初期のブログを覗けばどうにも勿体無い書き方も多いので修正しながら、また15年前の感覚と今では違うから自身を見つめ直しながら続けよう。

 1962年に初めてのアルバムをリリースしたBob Dylanの「Bob Dylan」はLed Zeppelinがプレイしていた「In My Time of Dying」が入っている事もあり、ディランの作品ながらも結構早い時期に入手していたが、全く面白くなくて単なる一人フォークの叫び声作品だ。そういうスタンスでシーンに出てきているから当たり前だが、どれも同じ曲調と歌と歌い回しで、古いアルバムにありがちの一発録音スタイル。それはロバジョンと同じ扱いとも言えるが、10代の若者にはキツかった。今改めて聴いてもキツい事は変わらないが、ディランの叫びはストレートの突き刺さってくるので、アルバムリリースから一気にシーンで支持を得た理由も分かる。本来はそこに歌詞の意味合いやメッセージが加わるのでもっと強烈な支持が集まったが、自分は英語が普通に聞き取れるレベルじゃないからメッセージは響いてこない。ただ、歌もプレイもハーモニカも、スタンスの強さもビシビシと突き刺さってくる鋭いアルバム。

 アルバムは基本的にアメリカのトラディショナルな歌の歌詞を変えてメッセージ色を強くしている作品が多く、数曲の自作曲が入っている作品で、その自作曲が評価されて後のディランが出来上がった。基本3コードの叫び声でもこれだけ印象が異なるかと思える各曲、「死にかけて」も「朝日のあたる家」もだ。ある種パンク的ですらあるこの強烈なスタイルは時代を考えれば相当の反逆児、恐怖の象徴、また反骨の英雄に映っただろう。それは本アルバムを聴いても戦慄を覚えるからもっと強烈にインパクトを放ったに違いない。ディランのどこが凄いか、イマイチ理解していなかったが、素直にこういう作品に手を出して向き合ってみれば分かる。多感期にこの世界にハマらなかったのは自分が鈍感だからか、若すぎたか、既に周囲にもっと聴きやすいポップスやロックがありふれていたからか、少々残念な気もするがディランのインパクトは凄かった。アルバムジャケットの飄々とした表情からは想像できない過激なフォークパンクが聴ける名盤。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪