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70s British Hard Rock #3【L-P】

Leaf Hound - Growers of Mushroom (1971)

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 1970年にドイツでシングルをリリースしたのが彼等のデビューで、アルバムは翌71年にこれもドイツでリリースされている。ドイツ初回盤は後に発売された英国盤よりも二曲少ない収録だったようだ。更に英国盤のタイトル「Growers of Mushroom」は英国リリースのみのタイトルで曲順も異なっている。こういう場合はどちらをオリジナル盤とするべきかは分からないが、そんな昔の話してもしょうがないので現行入手できるブツで、英国盤にボーナストラックを付けたCDがリアリティある。ちなみに英国盤はデッカからのリリース。

 更に驚くことに、このLeaf Hound、2004年から再結成して活動しているらしい。驚くことにオフィシャルサイトまである。

 気を取り直して、滅茶苦茶B級路線と言うか今なら誰でも思い付くだろう感じの音だが、書きやすく書けば世間一般で言われているZepの模倣バンドになるけど、もうちょっとヘヴィーなギターにパワーのある歌が絡む重めのハードロックバンド。演奏力は高いしギターの音も好き。初期Zep聴いて作った勢いのある音かもしれないけど、決して色眼鏡で見ては勿体無い。この頃の英国ハードブルースロックを代表する典型。若干音がオーバーレベルなのも良い。

 ちなみにブラック・キャット・ボーンズに在籍していたブルックス兄弟(ギターとベース)が核になって後にアトミック・ルースターやカクタスでボーカルを務めるピート・フィンチをボーカルに迎えてのバンド。哀しいのは英国で1971年10月にアルバムデビューしたけど、その時には既にバンド解散していた。おかげでライブも全く未知の世界。再結成後のライブ映像はYouTubeでオフィシャルから辿ると見れるけど、全盛期は見た事ない。写真ですらない。それを想像してレコード聴くのは楽しい。風貌見て想像して、こんな音かと。

Leaf Hound - Unleashed (2007)

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 どんなバンドにもそれなりに歴史があって想いがあってタイミングがある。それが何かのきっかけで再結成したり再始動するのが今の時代で、特にオールドタイムなバンドにはそういう事が起こる。元々往年のロックバンドが再結成、再始動をアチコチで行うと経済が潤う。そもそも趣味に戻って楽しめるのもあるか、メジャーな世界から超アンダーグラウンドな世界までそんな活動が盛んだ。おかげで若いバンドは自分たちの本来いるべき場所を次々とオールドタイマーに奪われるあまりよろしくない構図になっているがしょうがない。オールドタイマーなロック野郎の方がカッコ良い。そんな中またひとつのバンドが再始動していたのはもうだいぶ前の話らしいが、日本公演を行うのでちょっと話題になって知ったので決して早い情報じゃない。でもホントに再結成なのか?とアレコレと興味をソソった。

 英国のLeaf Houndのオリジナルは1970年にアルバム「Growers of Mushroom」をリリースしたブルースロックバンドの二枚目のアルバム「Unleashed」が2007年にリリースされていた。アルバムジャケットのLeaf Houndのロゴは紛れもなくあの「Growers of Mushroom」と同じロゴで、そうかホントなんだ、と思って気になったのでDLで聴いた。そしたら、これがまた驚くことにかなりカッコ良くて、現代のハードロックバンドとしても聴けてしまうくらい。

 オリジナルメンバーはボーカルのピート・フレンチとドラムのキース・ヤングだけで、ギターとベースは若手のメンバーを入れてるらしい。バンドの色を付ける部分は若手のセンスに任せているのか?それにしては見事に現代風ブルースハード・ロック・バンドになっているから新旧合わせたバンドで見事。曲はシンプルだけどこの妙なバランス感覚はギターはそんなに古い音でもなく割と新し目のエッセンスも入ってるからだ。この面々で来日公演やって、あの「Growers of Mushroom」からやるならかなり面白いライブになる?と期待出来る正しく英国ハード・ロックを継承しているバンドの音。再結成や再始動も色々な形があるけどLeaf Houndの場合はこれが見事にハマっているかも。名盤「Growers of Mushroom」に引けを取らないとは言わないけど、裏切る事のないアルバムを出してるのは確か。普通に聴いてもカッコ良く聴こえる。

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