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The Velvet Underground & Nico & Lou Reed

The Velvet Underground + Nico - The Velvet Underground + Nico(1967)

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 1967年サンフランシスコではサイケデリックムーヴメントの波が起きようとしていた頃、東海岸では全く前衛的なサウンドと退廃的なイメージを持つバンドがアンダーグラウンドなシーンに君臨していた。前衛芸術家の旗手であったアンディ・ウォーホールに見い出されたそのバンドはヴェルベット・アンダーグラウンドと名乗っていた。

 なんて書くと凄くカッコ良いけど読んだ事あるような内容でちょっと脱線。ニコとルー・リードだからバナナのファーストアルバムが一番印象的なアルバム。今聴くとそんなに前衛的かと思うくらいポップセンスが散りばめられている。ニコを連れてきたのはウォーホールだけど、これが大正解で彼女の人生が変わった面もあった。凄く綺麗な人でソロアルバムでも超個性的、俗称「地下の水道管」と呼ばれる歌声とサウンドはニコならでは。日本公演のビデオも凄い。

 ヴェルベット・アンダーグラウンドのファーストアルバムは、一時日曜日の朝には必ず聴いていた「Sunday Morning」から始まる心地良いポップソングで正にけだるい朝の雰囲気を表している。このアルバムからは色々なメジャーアーティストにカバーされている曲が多く「I'm Waiting for the Man」はボウイがライブ定番にしている。ルーのテイクはかなり暗い一直線な雰囲気だけど、これをポップに仕上げたボウイはさすがです。「All Tomorrow's Parties」はジャパンのバージョンが有名で、けだるい雰囲気がデカダンなサウンドになるけど、このバンドも明るくないので良いムード。「Heroin」は人気は高いし、「Femme Fatale」はニコも自分のライブでいつも歌っていた。浮遊感漂うポップスで独特のコード進行が心地良い。他にもチープなサウンドで作られた楽曲ばかり。

 音楽を真面目に語る場合には出てくるバンドではないけどロックやアートのフィールドを語る時は欠かせない作品で、ニューヨークでは退廃的且つアンダーグラウンドな世界へと潜り込んだアートと化した。プログレと違って美しさはないけどハマれるサウンド、新鮮な刺激。

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