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Ozzy Osbourne & Dio

Ozzy Osbourne - Blizzard of Ozz (1980)

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 MTVで見るオジー一家のドタバタ騒動はお茶の間の視聴者も単純に楽しめるドキュメンタリーでオジーも有名になったが、昔はコワイ変人でした。「コウモリを食べる人」のイメージがアタマの中に残っていて、なかなか聴けないアブナイ音楽でした。しかし、ロックに手を出すとオジーの歌声を聴くし、ブラックサバスの「パラノイド」や「ブリザード・オブ・オズ」で聴ける「Crazy Train」「I Don't Know」「Mr.Crawley」も特殊ジャンルのはずが意外とメジャー。

 悲劇のギタリストと語られるランディ・ローズを配していた時期のアルバムは、さすがに祭り上げられる、美しい旋律を華麗に奏でるギターソロのメロディーが秀逸。曲のリフもインパクトがあって他のバンドと一線を画している感が強い。聴くとパワーが出てくるのは曲の持つアグレッシブさ。

Ozzy Osbourne - Blizzard Of Ozz (40th Anniversary Expanded Edition) (1980)

 Ozzy Osbourneのソロ名義最初のアルバム「Blizzard Of Ozz」はご存知のようにランディ・ローズの出世作。たまたま先日このアルバムの40周年記念バージョンがアナログとストリーミングでリリースされていたので聴いていたが、当然ながらオリジナルメンバーの録音に戻っている。戻っていると書いているのは2002年のリマスター盤でリズム隊の音源が当時のメンバーの音に差し替えられてリリースされていたから。その一度以外はオリジナルメンバー、ドラムはリー・カースレイク、ベースはボブ・ディズリーの録音盤。鍵盤はドン・エイリーで何とも豪華なメンツのオジーバンドだが、今は半数は天国にいるから時代は流れている。久々にアルバム単位で聴いた「Blizzard Of Ozz」。40周年記念盤だから新しい音に近づいているがそれでも少々音がまろやかで古さは感じる。ただギターの音色が自然で歪みも含めて心地良い音色で今の録音では聴けないマイルドさ。レスポールにマーシャルだから好きなサウンド。決して歪みすぎず、メタルと言われるには全然メタリックさは無い音色、時代が違えばそうは呼ばれなかったが、ギターソロやオブリで目立つ美しくも激しいプレイが凄い迫力で異彩を放つ。本作を聴いてギターに惚れないリスナーもそう居ないし、オジーの歌声が若々しく伸びやかで全盛期がきちんと記録されている。楽曲も大英帝国ハードロックの延長の美しさで今のヘヴィメタルとは異なる美学が走っている。

 収録曲は今更何を言う事があろうかとの傑作ばかり。幾つかの好まれない作品があるもののこれだけ年月が流れればアルバム単位で聴かれる曲なので無いと違和感を感じる熟成度合い。そして40周年記念盤で初めてそのリリースを知った、「Ozzy Live」の存在。オフィシャルリリース作品でランディ時代のライブアルバムがリリースされたが、今回はそのライブアルバムから7曲が収録されている。その頃に入手している方は面白味も無い記念アルバムだが、こんなのがあったと知った自分にはお得な記念盤。また、「Dee」とは異なる「RR」と題されたランディ・ローズのヘヴィでフリーなギターパートだけが1分半に渡って収録されている。正にオジーの愛情表現で、想いが伝わってくる単なるギター・プレイで哀愁漂う味わい深さもある、涙する収録。オジーの中ではいつまでもランディ・ローズは居続ける存在で、事あるごとに出てくるのも美しい。

 これから先はランディ・ローズ時代の逸品が発掘される事もないだろうし、出るものは出尽くしている感ある。さすがにその商売は終焉を迎えていくだろうが、今度はランディ・ローズの存在を引き継いでいくリリースが検討されるだろう。オジー・オズボーンの作品も同じだが、これだけ時間が経った今もランディ・ローズのプレイが光っているのは本物の証。ヴァン・ヘイレンと並び称されるギタリスト、普通にこのギタープレイを聴いて気になる存在に変わりはない。この「Ozzy Live」音源は生々しく勢いあってカッコ良いライブ。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪