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Mellow Candle / Flibbertigibbet / Clodagh Simonds

Mellow Candle - The Virgin Prophet (1970)

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 優しいフォークに出会って、随分長い事聴いてないと思い出したメロウキャンドル。自分が初めてメロウキャンドルを聴いたのは20年以上前で、当時からかなり萌えて何十回聴いたか。細かい情報もないままに当時はアナログで、それも本物は見つからなかったのでカウンターフィット盤だが、それでもとにかく聴いてみたくて。CD時代になってすぐにエジソンからリリースされたからまた買ってまともな音質で聴いたけど、それもアナログ起こしのCDだったから今は恵まれた時代です。その後もリマスター盤買って、あまりにもリリースされ過ぎているのでもうそこまで追わないけど、とにかくアルバムものすごく好き。ある時いつものようにレコ屋回ってて、普段あまり新品コーナーも見なかったけど、何となく見てたら発見したメロウキャンドルのラフテイクを集めたアルバム「The Virgin Prophet」。しかも曲目見るとあの「Swaddling Songs」のラフテイクっぽい。ジャケットも如何わしくて正規盤に見えないがホントにラフテイクだろうかと思って購入。ワクワクしながら家に帰って何はともあれ速攻で聴いた。

 冒頭からもちろん「Heaven Heath」で、アリソン・ウィリアムスとクロダー・シモンズの二人、ではなくどちらかが歌ってる。「Swaddling Songs」だと二人で歌っているけど、「The Virgin Prophet」ではダブルボーカルな感じではないから、もしかしたらクロダー・シモンズはピアノ中心かもしれない。「Swaddling Songs」から10曲入ってて、それが全部ラフテイクで聴けるので、その違いに驚愕しながら聴いていた。音の悪さはさほど気にならなくて、ここまで完成度の高いテイクまで創り上げていた方が驚き。どの段階の音が録音されたか分からないけど、少なくともデモではないしバンドでメジャーデビューするために作成したデモテープらしい。一発録音的な気もする。未発表曲が5曲、何の違和感もなくすんなり溶け込んで入っているけど、きちんとしたテイクを録音してないだろうか。駄作ではないし、佳作でもないけど、この流れでは違和感ないからホントにバンドの音。一部トラッドもやってるのが面白くて、幻想的なバンドの根っこがトラッドにもあったと分かった。当たり前だけど。

 しかしこの20年くらいのメロウキャンドルの人気ぶりは静かにではあるけど凄く根強いもので、聴いた人皆が気に入るからリスナーが増えている。紙ジャケやリマスターや再発など頻繁に行われ、それなりに売れるようだ。至宝の名盤に相応しいのは納得だけど、併せてこちらの「The Virgin Prophet」も力入れて紹介しても良いと思う。宝石の原石です。

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