見出し画像

70s British Rock 【R・S_1】

Renia - First Offenders (1973)

画像1

 英国のバンドReniaの1973年作「First Offenders」。キャッチーでポップでハードロック路線だが、少々軽やかにメロディアスで軽快なのが不思議。時代的にはグラム感あったりレイドバックした時にこんな中途半端なレベルのサウンドとは、それこそが英国ごった煮時代のロックのあり方。コーラスワークもしっかりしてるし多分音楽センスは相当に高かった。ツボを得た曲が多く、プロモーション次第ではもうちょっときちんと売れたと思うレベルにはある。下手したらMott The Hoople並には、な気がするサウンド。かなり楽しいので好みです。少々冗談的なサウンドもお遊び心満載でよろしい。

 こういうバンドが数枚アルバムをリリースしたら、完全にハードロックになったかもしれない。ギターもしっかり歪んでてソロも聞かせてくれるし、少々地味にプレイしている場面もあり、一方ではややドラムがおとなしい。この頃特有のどこにも属さず、どっちにも進んで行くことない中途半端さが良い愛すべきB級ロック。

Riff Raff - Riff Raff (1973)

画像2

 ジャズロック系の70年代バンドがさほど得意ではなかった。ブルースやハードロック系、サイケやプログレ系は好んで聴いたけど、ジャズロック系はソフツは好きだけど他はあまり好んで一生懸命集めなかった。限りあるお小遣いの中で何を優先的に買うかだから、後回しになるものも多い。だからジャケと名前だけ知っててもあまり購買意欲が起きなかったのが多分ジャズ・ロック系。マーク=アーモンド然り、そこからのRiff Raffも然りだった。ジャケット知ってるけど聴いた記憶ないと思ってたらそうかと思い当たった。

 Malk-Almondから離脱した鍵盤奏者のトミー・アイアーが中心になってセッションマンを集めて作ったバンドがRiff Raff。1973年にファースト・アルバム「Riff Raff」をリリース、地味ながらも玄人志向的な作品で、ジャズ・ロックではないけど透明感溢れる牧歌的側面を持ったジャジーな小洒落た感覚のあるアルバム。売れる事は絶対にない感じはするけど好む人は好む音。ベースのロジャー・サットンを最近気に入っているので、ここでも参加してるが淡々と綺麗なラインを奏でてくれる。目立たないけど心地良い時に心地良いラインを弾いて、それがジャジーなラインだったりする。つまりBGM的なサウンドとしては素晴らしくツボを得たベースで歌うベースとも言える。更にギターを弾いてるピート・カートリーはペンタングルの人なのでこれもまた空気が読めてるギター。非の打ち所がないくらいに「英国音楽」したアルバムに仕上がってます。ともすればイージーリスニング・フュージョンに識別されてしまいがちな音世界だけど、大部分は好まれる気がする。

 ちなみにこのアルバムのトーンも初めてな感じしないとちょっとだけマニアックに思ってクレジット見たら、トム・ニューマンと書いてあって納得。あの人の透明感でしたかと。「妖精交響曲」で知られているマイク・オールドフィールド関連で有名か。良いの出してる。

ここから先は

16,400字 / 18画像
この記事のみ ¥ 100

好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪