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70s British Rock 【C】

Capability Brown - From Scratch (1971)

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 マイナーながらもかなりセンスの良いロックサウンドを繰り広げてくれるバンドやアルバムは70年代初頭の英国にはごまんと転がっていて、そのヘンをあれやこれやと紹介しているが、自分的には何となく好きから始まって何でも聴き漁って、結局その類の中でも良いアルバムは良いのに気付いた。決して何でも好みではない。ただ、メジャーになれなかった理由はあるので、その辺を意識しながら聴くと何か分かってくる。シーンの環境もあるし、時代に合った音かどうかもある。

 1971年にデビューして二枚のアルバムを残しただけのキャパビリティ・ブラウンも相当に良質なポップなロックを展開したバンド。ファーストアルバム「FROM SCRATCH」よりもセカンドアルバム「Voice」の方が有名。ジャケットのインパクトも絶大だし、中身も組曲形式だからプログレマニアに取り上げられて有名になっている。その影響でキャパビリティ・ブラウンのファーストにも興味が及び、本作の再評価に結びついた。その「From Scratch」が全く期待を裏切らない出来映えだったので、実は良質なバンドだったとなる。コーラスワークは完璧で軽快で起伏に富んだ楽曲をいくつも出して、飽きる事なく次から次へと聞いていられる代物。何が突出しているでもなくバランスの良い、ロックだけどクセはあまりないサウンド。良質なアルバムで傑作に相応しいアルバムだが、何かが足りないのはある。

 このバンドは面白くて、一曲目はRare Birdの「Beautiful Scaret」のカバーで、全然アレンジが変わってて爽やか。しかしこの時代にRare Birdをコピーしてアルバムに収録するのも珍しいが取り組みは非常に面白い。英国マニアから観るとそれもまたレアな発見で嬉しくなる。「Liar」はクイーンではなくアージェントのカバー。全くこだわりのないバンドだったか。ちなみにレーベルはカリスマからのリリース。

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